ボーという人間性

先日感想を書いた「ボーはおそれている」ですが、今回はボーの人間性、特性に焦点をあてて考えを書き散らしていきたいと思います。

本題に入る前にネットでの感想や考察を見た読んで
・ユダヤ教をモチーフにしている
・ミッドサマーを30だとしたらこっちは100%原液の狂気
大多数がこの2つに触れつつ感想を書いてる感じで…前者は私には思いもよらぬ前提知識で浅学を恥ずばかりです。
後者のミッドサマー云々に関しては、ダニーが抑鬱状態にあるとはいえ序盤中盤は真人間であることや村のみんなも最初は観光地だと偽装して余所者を受け入れるフリをしてるから狂気が三倍希釈されてたのだと思います。その点ボーは最初っから100%イカれてます。マウスウォッシュ誤飲したらガンになると思い込んでるし。
で、その100イカれてるボーがストーリーテリングしてるわけですから映画についていけないのです。この映画を理解するためにはボーを理解しなければならないのです。と、いうわけで今回はボーの人間性を解釈していきます。


まず、ボーは精神発達に特徴を持ってます(配慮をした言い回し)劇中でも少年時代の彼をパッケージに採用した発達障害の薬が登場します。ママの会社の社史で紹介されていたのでボーの妄想でなく事実です。
そういった特徴から彼は心配性だし幼稚だし自己中心的なのです。彼は自己中です。そしてうっすらと彼は頑固です。
ボーは基本的に意思表示をしません。彼が意思表示をしたのは劇冒頭でセラピストに本当に帰省するのか確認された時の「母に会いに行く」とトニに葉っぱを勧められた時の拒否くらいです。
ボーが結果的に行動するのは「そうすべきと確認が取れてかつひた隠しにしている自分の意志と合致した時」「命の危険から回避する時」「強く誰かに強要された時」だけです。1番初めに挙げたのに関してはもしかしたら劇中にないかもしれません。が彼は「What should I do?」とあちこちで聞いてきます。ただ、そこで明確に「いますぐ実家に帰るべき」と答えを得てもなかなか行動しません。なぜなら彼の意思とは合致しないからです。そういった点で彼は頑固であると私は評価しました。

きっとボーは初めから帰省したくなかった、ママに会いたくなかったのだと思います。ママが死ぬ前から。最初にセラピストに聞かれた時から会いたくなかったのです。ただ「そうすべき」であるから帰ると口には出していただけです。
だから隣人が夜中までクレーム出してきて眠れなかったのはボーがそう言い訳して、私たちにはそうストーリーテリングしているだけであって単に帰りたくないから寝付け無かったんだと思います。
鍵と荷物を盗まれたのも怪しいです。だって「デンタルフロスを怠ったら歯茎ガンになる」っておそれてる人がそれを荷物に詰めるの後回しにしますか?
そうこう言い訳が作れたから、そうせざるを得ない状況になってから母に連絡をするんです。「まだ家にいる。」って。ここでもまだ帰れないだとか帰りたくないとは言いません。こう続けます「どうしたらいい(What should I do?)」これが彼の意思表示の手段なんです。そうせざるを得ないよね、仕方ないよね。って相手に妥協をさせるように彼の真の要求を察知させて決断させるんです。
でもママはこれまでずっとボーのママだったわけで一筋縄じゃありません。逆にボーに帰省せざるを得ない状況を押し付けます。
これも完全に私個人の考察なのですが、ボーの電話に配達員がでて事故の状況を聞かされた時、ボーはその時からママの死を疑っていたと私は思っています。ショックは受けていたとは思いますがあのやり取りのなかでマーサの存在がすっぽりと抜け落ちてるんですよ。死体の状況を聞かされてマーサの死体の可能性を全く疑わないし、「家にメイドがいるはずだがその人はどうした」と聞きもしない。ボーはあの時ショックは受けているけれどもどこかで「ママが逆上してなにかを仕掛けて来た。」と薄々勘付いていたのだと思います。

番宣では「怪死した母の元へ奇妙な旅が始まる」と謳っておりますがこの旅にボーの意志はありません。ひたすら次のエリアに向かわざるを得ない状況に陥ってから転がり込むようにステージが移ります。ボーが行きたい思って移動していません。ただボーに助言を与える人間は「帰るべきだ」と促すし周りも協力しようとします。がボーはうっすらとそれを回避して帰りが手間取るように仕向けます。
ここでまた私の考察を垂れるのですが、ロジャー氏がいよいよ送ってくれるという時に急な仕事の依頼が来て帰りが延期するトラブルに見舞われます。あれは実はママからの意思確認だったのではと思います。あそこでボーが自分の意思で「それでも今すぐ送ってくれ!」と訴えかけるのか試したのだと思います。結果、流されるように延期を受け入れたことを監視してたママに指摘されてしまうわけですが…
それとトニが送ってくれるとなった時も、葉っぱを吸って意味わからなくなってましたがあそこもボーの意思で降りてベッドまで戻ってきてたんじゃないかなって…この点はだいぶ怪しいけど…
だからトニからしたらたまったもんじゃないわけですよ。知らないおじさんが人のベッド使ってるし帰りたいって言ってるのに送ろうとしたら拒否し始めるしじゃあもうジーヴスを焚き付けてやろうってなったわけですよ。きっと。

長々と解釈を垂れ流しましたが結局私が言いたかったのは「ボーは彼の意志もってママの元へ向かったことは劇中一度も無かった」ということです。ボーの人間性を解釈するって話はどこいった

この映画はユダヤ教を模していると、安住の地を破壊され流浪の身になるも最後は約束の地に至り最後の審判を迎える。とのことですがボーは確かに自宅を破壊されはしたけれども次の地へ向かうつもりは無く仕方なくそうせざるを得ないように約束の地へ至り最後の審判で終わるんだなって。

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