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抜かず連発、敵は昇天。もろメタルマックスなRPG ARMED&GORLEM

主人公は戦車に乗って世界にはびこるモンスターと戦う。戦車の装備を使って強力な攻撃ができ、さまざまなパーツを使って強化することもできる。冒険を進めると、頼れる仲間と出会ったり、新しい戦車を手に入れたりすることができる…。

こう要約すると、まんまメタルマックスだな。

戦車に乗っていると移動できない地形があり、その場合は降りて移動する必要がある点、主砲に用いる特殊弾は補給に費用がかかるので、ゴールドが少ない敵は段数無制限の副砲で倒すのがベターな点、積んでいるパーツが戦車の許容重量を超えた場合、マイナスにステータスが働く点、指名手配モンスターを倒すと賞金をもらうことができる点…。

ますます、メタルマックスだな。

そんなメタルマックスフォロワーなケムコRPG ARMED&GORLEMが、デコゲーらしい通好みのバランスではなく、一般ウケする様快適なプレイを促すため、差別化を図ったポイントは二点。
ひとつは

  • 本家が「主砲」「副砲」「S-E」「シャシー」「エンジン」「Cユニット」の6つのパーツで構成されていたところ、簡略化。
    本家において「シャシー」「エンジン」「Cユニット」のどれか1つでも壊れると戦車が走れなくなる要素は廃し、戦車のHPがゼロになれば走れなくなる仕様に調整。

ふたつは、

  • 特殊弾を1ターンに1発に限らず、複数発まとめて主砲をぶっぱできる点

だろうか。
発射後は砲塔が焼き切れたのか虚脱状態になり、戦闘中最後まで役に立たなくなるが、たとい1発だけといえど、見合うだけの威力はある。

本作は、この特殊弾の価値を基準にゲームが設計されている。
つまり、序盤はスラム上がりの貧乏主人公ゆえ特殊弾の1発が血の一滴、生命線。なけなしの賞金だけでは特殊弾の代金だけで財布が空になるし、主砲に装填できる、つまり一回の戦闘に使える特殊弾の上限は5か6発と限られるが、見合う威力がある。常にカツカツの特殊弾在庫と睨めっこしながら。

対して、終盤には戦車が大改造を受けて絶倫になり、抜かず10連発、戦車によっては12連発が可能になる。あぶく銭で特殊弾は買いたい放題。

弾の種類につき
所持できるのが最大99発なのが惜しいところ。

目の前の敵に、味方パーティ一斉に特殊弾丸をぶっかける。相手は死ぬ。

出現。
装填。
砲火。
撃滅。

主砲が一斉に火を吹く非常に爽快なスタイルで、砲撃戦を体感できる。
このキモチヨサのオマケに、快適な操作性、程よいエンカウント、それなりに作り込まれた上質のストーリーとキャラクターが付いてくる。最高だ。

主人公の父との相剋、母に会いたいという願い。
カラクリ仕掛けのエリスの求める人との温もり。
そしてタメ口をきくポンコツロックの過去。
すべて一点に集まり、物語は大団円を迎える。
これはKEMCO/Hit-Point製のRPG全てに言えることだが
シナリオスキップ機能もログ機能もなく
ちょくちょくテンポが悪化するのが残念。

まあ、主砲だけでは倒せないから、ラスボスなんだけどね。地道な改造とレベルアップでステータスを上げ、どのスキルを使うか頭を悩ませて、戦略的に臨むのだ。

誰をヒーラーにするか、アタッカーにするか
役割分担がキモといえよう。

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