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忙しい人のための武器屋トルネコ。「砂の国の宮廷鍛冶屋。」

ドラゴンクエストⅣの第3章「武器屋トルネコ」をはじめとして、目武器防具を仕入れたり宝物を入手したりしてお金を稼ぐことに目的を置いたRPGは数多い。本作もその一つ。

ゲームシステムは同開発元・同発売元の「マレニア国の冒険酒場」と全く同じ。違いは生産したものを装備するか、食べるか、それくらいのものだ。
こちらの方がファンタジー感がある分、違和感は薄目?
Gジェネ思わせる各装備品の開発ルートは、ぼーっと眺めているだけでなんだかうれしい気分にさせてくれる。開発ルート100%を満たした暁には、GジェネDSで例えていうリック・ディアスをEx-Sガンダムまでこつこつ育て上げた時の様な、達成感を味わえるだろう。

シナリオは一本道。
出現したダンジョンは全て潜ってクリアする必要があるし、これまで何気なく倒していたモンスターが意外なアイテムを落としたり、フィールドで旅の商人とエンカウントしたり、サブキャラクターを雇って財宝のある洞窟探索があったり、あるいはボスもおらず極端な話レベル1でもクリアすることが可能という様な多様性・冒険主義は、本作にはない。パラメータがかなり細かめに設定されているところと、ちょっとしたミニクエストがあるところが、救い?だろうか。
もちろん、思わせぶりな世界観に匹敵する神秘にラスボスも、存在しやしない。

色々設定はあるらしいが、特に話とは関係ない。

「最低限できることは、できる」のだが「それ以外の遊びの幅がない」のが、値段相応と言えるだろう。
なので、値段相応の楽しみ方を模索する必要がある。

一つ言えることは、主人公を取り巻くキャラクターが、値段以上に魅力的であるということだ。
例えば錬金術士の店番道具屋ホリックは、そのポリシーが「めんどくさいことは、やりたくない」「手間を惜しむための発明は厭わない」で一貫している、そのくせ「金を作るには金よりも高価なものが必要」と至極もっともな真理を言い当てるところが、イマドキらしくて好感持てるところ。
話を進めて自然と親密度が上がると、また違った面も見せてくれるのも、ポイント高し。

アリーナ(モンスターと自由に戦い素材を得られる)の受付嬢:ハンナさんは、主人公にアリーナで用いる武器の大量発注を(サブクエストで)定期的に依頼してくる。当初厳しめだった評価も、主人公の技量が父親同様宮廷鍛冶師の域まで近づくにつれ、相応のお褒めの言葉を頂くようになり、それと合わせるようにして、堅物ではなく武器マニアとしての一面を見せる等になるのが、実に愛しいポイント。

最初は淡泊だが…。
べつに意味深ではない。
べつに卑猥ではない。

ギルドマスターのイーゴンさんは…「テンプレな面白いおじさん」であると言っておく。

二つ言えることは、DQ3よろしく、キャラクターメイキングによって、主人公以外に固有設定を持った人物が存在せず、主人公以外のパーティーキャラクターを任意で選んだ最大5人までのパーティーを作ることができる点だろうか。悪く言えば先祖返り、よく言えば想像の余地がある。自由に組んだパーティを妄想する力が必要だ。
主人公のパラメータは、ジョブに準拠して伸びるため、パーティの盾になる頼れる前衛型主人公に育てるも、パーティを盾にする後衛型主人公にばかすも自由だ。自分は後者を選んだ。

ハーレムパーティ。
しかし、パーティ間で会話イベントなどはない、無個性だから、脳内補完で充足することだ!

初期ジョブを決めたら後の育て方は自由。打撃一本やりの脳筋にするも、魔法を極めるも、魔法戦士にするも自由だ。
せっかくなので。最後に、ラスボス討伐メンバーのステータスに装備品を置いておこう。開発ルートを極めるとなぜか生産できるようになるので、ハーレムパーティなら他四人にエンゲージリングを渡して色男ぶるのも、大いにアリだ。一緒に戦ってくれないお留守番の幼馴染? 知らんな。

よほど下手な育て方さえしなければ、表ラスボスもAI操作で沈む。
裏ラスボスは、少し頭をひねらないと難しいかも…。

結論。
ちょくちょく物申したが、そこはモノづくりゲーの醍醐味。他のRPGならダンジョンを探索し宝箱から発掘する、またはボス敵を倒して手に入れるような「神槍」「聖剣」「神拳」といった物々しくも神秘的な名称の装備品の数々、本作では自分の手で生産し、それを仲間に装備させることが出来るのだ。JRPG好きであれば、これを感動と言わず何と言おう。幸いビジュアル表示も細かい設定も無いので、テキストを読み取っての妄想力が試される仕様。あるいは生産した装備品に高い値が付けられ、売りに売ってさばけたときの感動。
好きな人にとってはたまらない仕様と言えるだろう。

最後に攻略のコツを:違いをつけたか、マレニアに比べて、戦闘バランスはキツめ。状態異常がいやらしい&序盤から終盤までMPが枯渇しがちな仕様上、状態異常自動回復と自動MP回復は早々に全員に装備させておきたいところだ。

© 2020-2021 KEMCO/RideonJapan,Inc./Rideon,Inc.


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