脳は絶対に呼吸を止めさせない
動物にとって呼吸は最も大切なものです。
呼吸が止まれば死んでしまうからです。
そのため、脳はどんな方法をとっても呼吸だけは止めないようにしています。
フォームの違いは、筋肉や関節の使い方の違い
人は同じ動作をするのでも、違う筋肉や関節を使っておこなうことができます。
野球であればピッチャーやバッターは選手によって色々なフォームがあります。ピッチャーであればコントロール良く打たれない球を投げることが目的ですし、バッターであればヒットを打つことです。目的は同じでもフォームが違う。ということは筋肉や関節の使い方が選手それぞれで違うということです。
代償動作
人は足首を捻挫したときビッコをひいてでも何とか歩きます。ビッコをひいているときは、足首の代わりに他の筋肉や関節を多く使っています。
人差し指の指先を怪我したときは、親指と中指でモノをつまみます。中指も怪我していたら、薬指と親指を使います。
このように本来とは違う身体の動かしかたを「代償動作」といいます。
代償動作は、身体にとっては設計通りの動かし方ではないので、それを続けていくと不調が出てきます。ビッコを引いて歩いていたら腰が痛くなったなどです。
捻挫や指先の怪我は治れば元の設計通りの動かし方に戻るので、一時的に出た不調はすぐに治ってくれます。
しかし、怪我が治っても代償動作を続けていると腰痛などの怪我が定着してしまうことになってしまいます。
この代償動作ですが、呼吸でもおこなっています。
本来呼吸は腹式呼吸がメインになります。
腹式呼吸7で胸式呼吸3くらいの割合です。
それが腹式呼吸ができなくなってしまうと、胸式呼吸の割合が増えてきます。代償動作です。
例えば、お腹いっぱいに食べたとき。
お腹いっぱいになるとお腹の中の圧力が高くなってお腹を膨らめる呼吸ができなくなります。そんなときは苦しくない胸式呼吸に自然と切り替えています。
腰痛になったときも腹式呼吸ができなくなります。
腰痛のときは、腰もお腹まわりも筋肉がガチガチに硬くなります。
お腹を膨らめようとしても膨らむことができません。
そのため腰痛持ちの人は胸式呼吸になっていきます。
お腹いっぱいは消化されると解消されるので呼吸は改善されますが、腰痛が慢性化されてしまった場合は代償動作である胸式呼吸が定着してしまいます。
肩こりの筋肉と胸式呼吸でつかう筋肉は共通しています。
そのため胸式呼吸を続けていると、肩こりが強くなります。
肩こりが強いひとは、胸式呼吸が浅くなります。
すると、肋骨を動かす胸式呼吸の代わりに、肩を上下させたり首の前の筋肉を使って呼吸するようになります。肩で息をする状態です。
肩こりが更に強くなります。
このように脳は、色々な方法を使って呼吸だけは止めないような対策を立てます。しかしそれは本来の身体の使い方ではないので、不調がでます。
腰痛、肩こりを改善するためには、本来の身体の使い方の腹式呼吸と胸式呼吸の割合を7:3くらいに戻すことです。
胸式呼吸がメインになっているのなら、腹式呼吸の割合を戻すことです。
腰痛でお腹と腰が固くなっていて腹式呼吸ができないのなら、まずは固くなった筋肉を柔らかくしてあげると、呼吸しやすくなります。
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