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急に腰が痛くなる理由

腰痛になったとき、多くの人は「〇〇をしたら、急に腰が痛くなった」と言います。(〇〇というのは、人それぞれ違います。長く座っていたらという人もいますし、重いものを持ったらという人もいます。)

しかし、同じ〇〇をしても多くの人は腰痛になりません。腰痛になる人とならない人は、何が違うのでしょうか?

腰痛を信号に例えて考えてみる

私は、腰痛を信号の色に例えて、3つの状態に分けて患者さんに説明します。
信号の色別に、多いと思われる状態をいくつか例としてあげます。

<青信号>
腰に異常のない健康な状態。

*痛みも筋肉の張り感もなく動きも良い。
*肩甲骨や股関節の動きも良い
*足裏全体で安定して立てる
*姿勢がよく、背骨がS字カーブを描いている

<黄信号>
痛みは感じてはいないけれど、腰の状態は良くない隠れ腰痛。
火山でいえば「休火山」
バーベキューの炭の火が消えているように見えるが中では真っ赤に燃えているような状態。
重いものを持つなど、何かのきっかけで腰痛を発症しやすい。
多くの場合、腰痛以外にも不調を抱えていることが多い。

※ボート選手はほぼ全員が黄色です。

*股関節や肩甲骨の動きが悪い。
*肩こりの強い人、座っていることが長い人などに多い。
*猫背や反り腰、ストレートネックなど姿勢が悪く、背骨のS字カーブが崩れている。
*左右の肩甲骨どうしの距離が広がっていて、後ろから見ると背中が大きく見える
*骨盤が広がっていて、内臓が下がっているため下腹がぽっこりしている。
*太ももの裏が硬くて、前屈のストレッチが苦手
*腰の筋肉が固くなっていて、指で圧力を加えるとしこりがあったり、痛みがある。

<赤信号>
腰に痛みが出ている状態。
黄信号の状態から症状が進んだ状態。
火山が硫黄を吹き出しながら活動を始めた状態。
消えているように見えた炭火に風が当たって炎が上がった状態。

*前屈、後屈、側屈、ひねりなどの動作によって、動くと痛みが出る。
*腰の背骨を支える筋肉の働きが落ちていて、腰回り(体幹)が不安定になっている。

<交通事故>
動作のたびに痛む。
日常の動作に不自由を感じ、病院や整体、整骨院などに頼ろうと考える
バーベキューの肉の油が炭火に落ちて、煙と炎が上がり肉が焦げる状態

赤信号を無視して無理をすると、動くことができなくなります。
ギックリ腰や、3ヶ月以上腰の痛みが続く「慢性腰痛」も交通事故です。

車は壊れたら新しいものに買い換えればいいけれど、体は交換ができません。

黄信号に気づくと交通事故は防げる

自分で車を運転していると、黄信号は「急いで進め」と考えてアクセルを踏み込んでしまいますが、本来は「もうすぐ赤になるから止まれ」です。
体も黄信号でケアをすれば、赤信号、交通事故にならなくて済みます。

しかし、多くの人は自分が黄信号になっていることに気づきません。
そのため「〇〇したら急に痛くなった」と言います。青信号であれば〇〇しても痛くはなりません。

気づいていないから急に腰が痛くなったと感じるのです。

自分の体の変化に気づいて、早めに対処することが腰痛を予防するには一番簡単な方法だと思います。
本当は、体全体をモニタリングするのが良いのですが、腰の状態だけを確認するのであれば、

仰向けに寝た状態で、握った拳を腰と敷布団の間に入れて腰の筋肉の痛みや硬さを確認するだけでも良いと思います。

他には、前屈、後屈、ひねりの動作をおこなってみて、腰の硬さ、痛みを確認する方法もあります。

急におこる腰痛で困らないためには、黄信号で対策をおこなうことです。




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