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死と鬱の季節

秋冬は間違いなく引きこもりの季節でこの時期の夕方に部屋の電気を消すとかなり未来がない気分になって落ち込める
無職の頃よく夕方の真っ暗な部屋で完全に終わりになっていた
予定調和でしかなかったのでとても良い思い出だし実際いま美化して思い出せている
もちろん俺はいま無職じゃないので未来がないわけではないので電気を点ければいつでも現実に浮上できるしちょうどいい自傷になる
ただこの落ち込みも嘘と言い切る要素も正直不確かでしかない
きっと薄皮一枚めくればあっという間に不安の向こうに叩き落されてしまうのは間違いない

今年に入りかなり無理な日程で旅行をすることが多い 
どう無理があるかと言うとほぼ日帰りだったり滞在時間の短さを行動密度で誤魔化したりと少なくともゆったりとした旅行は少なく、滞在ではなく若さと体力に任せて情報を舐っているに近い
隙間時間に動いているから飛行機も逃したりするし新幹線でいいやという考えに落ち着く
というか飛行機がどんどん値上がりしていて便の多さや隙間時間への対応力空港へのアクセスの悪さも加味するとあまり良いとは思えない もう少なくともかなり五分五分のところになっていると言っていいだろう
そして新幹線特有の読書しかやることがなくなる瞬間がすごく好きだし旅行に求める隔絶された落ち着きがここでも感じられる

関東は情報が多くて嫌になるし都心特有のごちゃつきはそう遠くに行かないと振り切れない
逃げるように出かけた小田原はまだ全然都心だったし熱海も下手したらニオイが全然残っていて落ち着かない
手軽に行ける距離では絶対に逃げられない、そして短時間の滞在といえども開かれた場所に行くことで確かに落ち着きを感じられる

長い旅程もそれはそれでいいが意外とすぐ持て余すし本当の闘争の場は醜い都心にこそあるので別に隙間時間の短い日程が一番満足できる
静と動邪と聖を速やかに行き来することを体が求めている
いつかはどこか定まった場所に落ち着くのかもしれないがまだ若いし同時に一刻でも早く闘争をこなしていきたい気が強い
だから俺は異常旅行を続ける
定住で得られる安心を全く信用していないしまだ踏み入れていない快楽があるならそれを舐る

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