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旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

中国人が描いた蒼天航路を読みたくなり本屋に行ったけどなかった 
結構大きい本屋だけどなかった
チンドルで買うより文庫のほうが安いのでそうしようと思ったけど俺は購買のチープな快楽に振り回されていないか?この欲求は本物なのか?頭を冷やす機会を得た
戦争が始まるというか多分既に始まっているんだが余計な購買を減らせるなら減らすのがいい
俺は間違いなく過剰に購買しているしその証左として読んでいない本がそこそこある
いや読んでいない本だけじゃない、買った本は本来何回も読むものだ、一度しか読めていない本も加えると尚更多い

蒼天航路は何回かちゃんと読もうとしたけど熱と情報がゴチャゴチャしていてちゃんと読み切ったことはない
過程はともかく最終回曹操が少年時代恋をした水晶を探しに行くところで物語が終る
もちろんこれは最期の曹操のVISIONに過ぎないのだが頭が悪すぎて雑読みしか出来ていない俺にでも分かる物語に一貫したテーマが表れていてすごく好きなんだ

学生時代飲み会で松尾芭蕉の辞世の句の話になった
学生時代の飲み会なんて9割9おもんなかったがこの時は珍しく面白かったのでちゃんと覚えている
芭蕉の辞世の句は病死という最期の句に相応しいテーマで素晴らしいといったただそれだけだが蒼天航路も芭蕉も常に不満に忠実で(人間は全て不満に忠実ではあるが)欲求を形として残している
欲求ってどうにもならないことの一つで時に不安になるけど先人がちゃんと悩んで形にした跡があるとかなり勇気付けられる
悩みとかパーソナルで少し小恥ずかしくなるものに生きている人間は時に嘘をつくかもしれないけど、死んだ人間とかが残したものにはそういうくだらない嘘は最早ない
生きることってある程度問題解決の連続なので適度な負荷の問題が残されているのは救いで自分の好きなことなら尚更心地よい負荷で、同事に未練はどうしても悲しみが残るものである ってことなのか

また生きていて問題が起きる、暗い気分になる、時に理不尽と分かっていても心曇ることがある、忘れる、立ち直る、それを繰り返す

繰り返しているとつくづく運に帰結するな、と思う
努力とかよりも運のスタートラインって非情で大きい
かと言ってシワの多い少ないには優劣とかは絶対にない
シワの見えない奴はシワが刻まれる間見えない何かを刻んでいた それって恐ろしくないか?

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