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解体が始まる前に(大手町二丁目常盤橋地区散歩)

今に始まったことではないですが再開発が著しいです。街を歩けば工事現場に当たるというほど多いです。ちなみに、これまで東京都で計画された市街地再開発の一覧がこちらに掲載されています。

市区町村毎に分かれて計画された順番に並んでいます。これを見ると、有楽町駅前(イトシア周辺)って計画から完了までにだいぶ時間がかかっていたんですね。そういえばCOCAレストランとかが移転したのもこれが原因だったっけ、なんてふと思い出したりして。

こちらのサイトの「事業中」が現在着工している再開発です。つまり私が街歩きの途中で見かける再開発工事もこれのどれかです。ほとんどは区画整理事業で、その区画内に建てられた大小の古いビルを解体し大型商業施設を作る計画が多いです。いろんな理由で建て替えられていく建物たちですが、解体されると人の記憶からも消えていきます。壊されたのがどんな建物だったかを思い出せる人、そんなにいないのではないでしょうか。

工期に入るとまずは解体のために仮囲いで建物が隠され、音や塵に配慮されながら徐々に解体されていきます。一度囲われたら、外観を再び見るのはほぼ不可能です。新しくできるものにばかり注目されがちですが、私はこれから解体されていく運命の古い建物のことが気になってしまいました。だって、長い間そこにあったものがもう二度と見られなくなるんですよ。今、その姿を残しておかないと後悔する。

そんな思いで私にはひたすら通っている場所があります。現在解体中、2027年完成予定のトーチタワーが建てられる予定地である日本ビルヂングとその隣の朝日生命大手町ビルディング(旧朝日東海ビル)です。都市計画でいうところの「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業」のB棟にあたります。何故こだわったかというと、私は平成2年の夏から12月まで日本ビル内のオフィスで5ヶ月間ほど働いたことがあったからです。

日本ビルヂングと朝日生命大手町ビルディング 2020年7月16日撮影

写真を撮影した2020年7月は、この辺りで再開発が行われていると気づいた最初の頃。半沢直樹シリーズの特別総集編が放送されていて、東京中央銀行京橋支店のビル(京橋産業ビル)のロケ地が日本ビルだったことが、このビルを思い出すきっかけになりました。そして、当時私は体調を崩して休職していたのですが、通院のために乗った電車の窓からこのビルが見え、工事中だったのが気になりました。この2つの出来事からネット検索すると、既に日本ビルは半分解体されていてD棟(後の銭瓶町ビルディング)が建築中、A棟(常盤橋タワー)は来年にも竣工予定という状態でした。今気づいてよかったと思いました。

裏の仮囲いに掲示されていた開発事業のお知らせ
TOKIWAブリッジ(旧JFE商事ビル)側から見た日本ビル 撮影日:2020年7月16日
当時はD棟(銭瓶町ビルディング)はまだ姿を現しておらずA棟も建設中。

次に訪れたのは2021年の5月。常盤橋タワーは外観からほぼ完成しているように見えましたが、1階入口付近はまだ囲われた状態でした。

常盤橋タワーは竣工目前(竣工日は6月30日)。撮影日:2021年5月8日

次に訪れたのはまだ地下通路からビル内に入ることができた2022年7月3日。ですが既に人気(ひとけ)のない感じになっていました。

日本ビルヂングを広場側から撮影。撮影日:2022年7月3日
広場の赤べこ(これは今も置かれてあります) 撮影日:2022年7月3日

職場のオフィス移転などで忙しく、気づいたら10月を過ぎていました。次にこの地を訪れたのは10月9日だったのですが、10月1日から解体工期に入り周辺にはコーンが置かれ立ち入り禁止に。日本ビルの解体工期は2022年10月1日~2023年5月31日という案内が貼ってありました。

撮影日:2022年10月9日
撮影日:2022年10月9日
日本ビルの裏手 撮影日:2022年10月9日
隣の朝日生命大手町ビルディングは既に周囲が囲われていました。撮影日:2022年10月9日
このビルの解体工期は2022年10月1日~2023年10月20日です。
D棟(銭瓶町ビルディング)は完成していました。撮影日:2022年10月9日

かろうじて日本ビルは仮囲い目前の姿を残すことができました。
この日以降、外側から見られる解体状況を追うためにここに足しげく通う事になるのでした。


散歩の場所を明確にするためタイトル変更しました(2023.11.21)

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