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築15年でリフォームって早いの?

住み人と紡ぐ、たった一つのリフォーム物語   

Vol.1 気分が上がるリフォームーSさま邸

女性の視点と感性で、デザインから現場監督まで
まるっとおまかせ、オールインワンリフォーム
ワレアレア合同会社 代表社員のエミリーです。

"住む人と紡ぐ、たった一つのリフォーム物語” では、私がこれまでお手伝いさせていただいたお客さまの住まいのリフォーム完成までのエピソードを交えながら、読んでいる方がリフォームのヒントになるような事や、へぇ~、現場ではそんな事があるのね、といった事を紹介しています。


まだまだ現役感たっぷりのキッチンをリフォーム

Sさまは、築15年の中古の一戸建てを購入し2年住んだのち、リフォームを考え始めたそうです。
自分には贅沢すぎるくらいの、そしてまだパッと見はきれい、リフォームに踏み切るには少し迷うところもあるキッチン、という状況でした。

自分には贅沢かなぁ・・・でも、テンションは上がらない。自分でもなんでかわからなかった、けどテンションが上がらない。
そう、思っていたそうです。

そして、いよいよリフォームを考えようかという時にぶつかったのが、「何をどうしたら良いのかわからない」ということ。
(これは本当に多くの方とお会いする時によく聞く言葉です)
そんな時にご縁があって、お知り合いになったSさまと私。そこから、テンションが上がるリフォームへの階段を昇っていきました(^^)

自分の好き、しっくりくる感覚を探して

まずはお宅に訪問して、現況のキッチンを拝見しながらの採寸。現況はこんな感じ、今はここが不便、困っている、こうしたい・・・といった要望書を事前にまとめていただいたお陰で、その後の打合せが非常にスムーズになりました。こういった要望書をまとめておくと、家族間の話し合いをする上でも、それぞれの希望の確認になるのでおススメです。
【今回はSさまが独自でまとめてシェアしてくださいましたが、当社でも、まとめやすい要望書のテンプレートを用意しています】

実際にお宅へ訪問すると、ご家族の空気感というものも感じられて、インスピレーションがバシバシ働いてきます。その中でもビビッときたのが、キッチンの取手でした。「こういうシルバーの取手好きじゃないでしょう?」と聞く私。その瞬間、それまでは、こういうものだと思っていた物が違和感だったことに気づいた、自分じゃ絶対選ばないよね、って。それがわかってもらえた瞬間って、ほんと嬉しいものだと実感した、と後になってお聞きしました。

安心してください、同行しますよ!(誰?)

さて、今回のキッチンでおススメしたのは、ウッドワンのSu:iji(スイージ=炊事から来ていると思われます・笑)。
まずはナチュラルなテイストが好きだということ。そして、日本国内の主なシステムキッチンメーカーのキッチンでは、今テンションが上がらなくて替えたいと思っているものと大差無くなってしまう、ということもあったので、今回は迷わず「木のキッチン」無垢材扉のSu:ijiでした。

このウッドワンは、本来フローリング材や建具(ドア)などの建材を扱っている会社でした。木については、ニュージーランドに”ウッドワンの森”を持ち、植林から手掛けて製品を作っている木のプロの会社です。その会社が作った木のキッチンは、肌ざわりも心地よく、自信を持っておすすめできる逸品です。

他の主要メーカーにはない、豊富で個性豊かなハンドル達も魅力
(ウッドワン Su:ijiカタログより)

実際、ご提案してショールームを予約。同行します、と言うと「一緒に来てくれるんですか⁉」と驚かれましたが、もちろんです!だって、ショールームでご案内くださる方は商品知識のプロですから、商品のご案内はお願いしますけれど、お客さまの実際の暮らしぶりを知っているのは私です。その暮らしに合わせた商品を一緒に選んでいくお手伝いするのが、大切な役割ですから(^-^) しかし、「ショールームへ行って好きなものを決めてきてください」という業者さんもいるので、残念に思うところであります。
さて、一度目は商品がどのようなものか、実際の物を見て実感していただき、色などの最終確認で二度、ショールームへ同行しました。
やはり、実際に展示されたキッチンを見ながらの打合せは、Sさまご一家のワクワクも感じられて、本当に楽しい同行になりました。

表情あるキッチンを彩るタイル

30年ほど前までは、キッチンの壁にはタイルが採用されていました。タイルは目地の汚れが気になる、掃除がしにくいなどの理由で、フラットな面材のキッチンパネルが主に採用されるようになりましたが、やはりタイルのキッチンの方が表情も豊かで、本当はおすすめしたい建材です。今は油汚れにも対応している目地材もあり、心配せずに使えますので、キッチンリフォームの際は、タイルにも目を向けてもらえると嬉しいなぁと思います。

こんな風に使うと、アクセント以上の存在感

そして、フローリング。現在の赤みがかった床色ではなく、明るくしたい、という要望だったので、当初はメイプル材などの黄み寄りの床材で提案したのですが、どうもピタッと来ない。そこでまたインスピレーションが降りてきたのです。で、ご提案したのがラスティックテイストの床材。ラスティックテイストは近年人気がある、素朴な、とかラフな印象を持った木目のもの。めでたく採用!となり、いよいよリフォーム工事へ

対面サイズのキッチンカウンターを2階へ運ぶー現場あるある

いよいよ工事スタート

リフォーム前のキッチン
解体のスタートです

解体、配管の位置調整、配線などが終わった後に、メーカーの担当者が下見に来ました。今回は道路面から階段で上がった先に玄関、そして2階キッチンという事で、私が一番心配していたのは、対面キッチンカウンターの搬入路。壁付けキッチンなら奥行きは65cmのところ、対面になると90~110cmにもなる。カウンターの長さもあって、階段からは上がらないので2階の窓から入れる、その搬入路を入念に確認しました・・・のはずだった、のに!
当日来た職人さんに全然伝わっていなかった。

これって、本当によくある話で。いわゆる現場あるある、です。
なので、口酸っぱく「職人さんや作業員さんが来て、聞いてないって事がないようにしてくださいね!」と伝えるのですが、伝わってない事多し(゜-゜)
2時間も打合せ確認したのは何だったのか!!!! 困ります。
で、どうなったかと言うと、それに慣れっこな職人さん方は惚れ惚れする連携プレーで搬入路を見つけ出し、見事に2階のLDKに運び入れてくれました。
本当にいつも、現場で百戦錬磨の作業をしている職人さんの対応力に助けられてリフォーム工事は成り立っています。(感謝!)

手元照明にダクトレールを使わない

ペニンシュラ(半島型)キッチンの手元照明。天井にダウンライトやダクトレールを利用したスポットライト、ペンダントなどの案がありますが、私がバランス良く美しいと思って提案するのが、ペンダント3灯でダクトレールは使わない配置です。理由はやはり美しいと思うからなんです。ダクトレールだったら、照明器具を変えたりは出来るのですが・・・なので最終的にはお客さまの好みに任せるところです。で、今回はそれを採用いただくことに。
電気工事の職人さんと位置出しをして、キッチンが据わる前に決めていくので、大変と言えば大変ではありますが、それは仕上がった時に報われます!
私のこだわりなんだけど~

こだわりのペンダント3灯配置


名古屋モザイクのクラルテ 色ムラが手仕事を感じさせる

完成です!

ついに完成です!工期は8日間、お客さまも職人さんも大変お疲れ様でした。今回、反対側の壁には猫ちゃんの遊びスペースを設ける工事もしましたが、それはまた別の回でご紹介したいと思います。

完成したSさまのお宅。リビングに行くとき、とにかく気分が上がる、好きなものに囲まれる暮らしって大事、という感想をいただきました。
で、タイトルの築15年のリフォームは早いの?についての答えですが・・・
気持ちの上、ということで言えば、早いことも遅いこともないですよね。
(おいっ!と突っ込み入るでしょうか‥)

人によっては、まだキレイに使えるキッチンなのに勿体ない!という方もいるでしょうし、気に入らないままで使っているストレスを溜める方が良くない、という考えもある。だから、そこに早い、遅いをジャッジするものはないと思います。ただ、機器の寿命や、配管内の汚れなど、気にするべき必要なことはありますから、そういった事は気軽に聞いてください。

打合せから仕上がりまで、終始楽しく仕事をさせていただいたSさまご一家に感謝です。これからも末永く、よろしくお願いいたします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご主人さまが撮影くださいました 感謝です!

↓こちら自己紹介です。