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手を動かして確かめて植木算をマスターしよう

今回の記事では、算数の植木算、その基本的な考え方と応用例について考えてみたいと思います。
植木算は難解ではないのですが、公式を丸覚えして間違う、というお子さんが多い文章題の1つです。

■ 植木算の基本的な考え方

植木算とは、木を何本か植えた時の端から端までの長さを求めたり、池の周りに植えられた木の本数から池の周りの長さを考えたり、といった文章題です。

基本問題は下記のようになります。

問 7m ずつの間隔で桜の木を 5本 植えました、端から端まで 何 m になるでしょうか。

木を 5本 植えると、木と木の間の数は4つになります。


木と木の間隔は 7m ずつですから、端から端まで

7 × 4 = 28m となります。

このように図に書いてみれば一目瞭然ですが、ポイントは木の数よりも木と木の間の数の方が1小さいということですね。

池などの周りに気を植える場合についても、図を書いてみます。


7m おきに5本の木を植えるとしたら、図のように木と木の間の数も 5つになりますね。

このように、ごく簡単な問題で図を書いて確かめることで、例えば 木が 50 本になった時にはどうなるのか、もう簡単に計算することができますね。

問 5 メートルずつの間隔で桜の木を 50 本植えました。 端から端まで何 m になるでしょうか。

先ほどの 5本が50本になっただけで、考え方は全く同じです。

木と木の間の数は 50 - 1 = 49 個ですから

5 × 49 = 245 m となります。

■  木を植えるとは限らない

「 植木算」という名前ですが、もちろん木を植える問題ばかりではありません。

 例えば下記のようなものがあります。

問 エレベーターを使って、デパートの1階から9階まで上がります。 1回上がるのに40秒かかるとすると、1階から9階まで上がるのに何分何秒かかりますか。


1階から9階まで上がるのにエスカレーターに乗る回数は8回となりますね。

つまり 植木算の木と、木と木の間の関係と同じだということがわかります。

 1回につき 40秒かかりますから、全部でかかる時間は

40 × 8 = 320秒 = 5分 20 秒 ということになります。

この場合もいきなり式を立てるのではなく、ささっと図を書いてみると「うっかりミス」を防ぐことができそうです。

また、これ以外にも 次のような植木算があります。

問  1本の木材をノコギリで端から5本に切り分けます。のこぎりで切る回数は何回ですか。

この問題も形は違いますが、植木算ということが分かりますね。


5本に切り分けるには、のこぎりで4箇所切らねばなりません。

やはり 5 - 1 = 4回 ということになります。

■ 簡単なところで確かめる、 図を書いて確認する

上記のように木の本数が多いような場合も、少ない本数で確かめれば、木の本数は木と木の間の個数よりも1大きいということがわかると思います。

あわてて式を立てるのではなく、まず小さなところで確かめてから目の前の問題に適用することが大切ですね。

また一見植木算に見えなくても考え方は 植木算そのもの、という上記のエスカレーターや ノコギリの問題などに関しては、まず式を立てる前に状況を図(絵)にしてみるところから始めるといいと思います。

さて、植木算にも公式 めいたものがあります。

【両端に植える場合】
木と木の間の数 = 木の数 - 1

【周りに植える場合】
木と木の間の数 = 木の数

ですが、この記事のように手を動かして考える習慣がついているお子さんであれば、このようなものは覚えていなくても大丈夫だということがわかりますね。

「公式丸覚え」ではなく、ぜひ「 手を動かして確かめる」という習慣をお子さんにつけさせてあげていただければと思います。

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