見出し画像

もしも、私が公立の中高一貫校の校長になったら。。。自分にしかできない学校で、かつ、再現性のある仕組みを作りたい。それってどんなものか、を簡単に解説します。

この数年は学校に関わる仕事をしているから、そして息子が高校生だから、時々いろんな思いがやってくる。その一つが「もしも自分が校長になったら」だ。今回は公立の中高一貫校・中等教育校の校長になったらやりたいことを書いてみた。かけるお金はできるだけ少なく。ビジネスを行う企業だったら当たり前の習慣みたいなもので、予算をかけずにできることを書いてみた。アイディアと実行力、そして巻き込み力、誰かが動けば周りも一緒に動き出す。なぜなら、徐々に変化していくのが見えるのは楽しいし、笑顔になる人が増えるから、それがみんなの原動力になる。

成功のコツは信頼とスピードとワクワク感だと思う。新庄剛志さんにしてやられた感じもあるが、私なりに似た様なことを学校現場について思っていた。つまり関わる人すべてが笑顔になりながら前に進むやり方だ。そして、何を考えることきも地球規模で考えながら地元(足下)も見据える。誰かのためになることは、まず、今できる簡単なことからやればポジティブな行動習慣になる。

目標にしたいことは未来志向。海外志向ではない。海外大学に行く、外国で働くなどは選択肢が増えることであり、それが目的なのだ。現に海外で生活する人たちは日本に帰るつもりがないのではなく、「今のBESTがソコ」なだけなのだ。そんなことを子どもたちには社会に出る前に知って欲しい。

説明するととても長くなるので、箇条書きにした。どこの学校でも、ちょっと工夫したらできることばかりだ。その上に、自分の学校のアイデンティティや目指したい方向を乗っければ学校ごとの特徴ができる。学校を作っていくのは生徒と教職員と保護者。そして、地域の人たち。しかし、ベースになるものができてないと回らない。校長はそれをうまく回すための縁の下の力持ち・交通整理担当で、目立たないところで油をさしたり、油を買いに行ったり交換に行ったりと、人の入れ替えや外部のかぜを持ってきて、、、とちょこまか動く役割だと思う。

さて、もしも私が公立の中高一貫校の校長になったら以下のことをやってみたいと思うんですね。

1.まず、学校が変わっていく期待感の醸成をスピーディに行う

先生の呼称をやめる。教員間も生徒からも「ありさわさん」「わかさん」と呼び合う
・他中高一貫校への無試験転校制度(Erasmus/地域未来留学を真似た生徒の気分転換・やり直しの場を作る)
・クラス担任を学年担任団
・定期試験を単元テストに変更、受けたい人は2度まで受けられる
・総合型選抜入試サポートを担任でなく全教員で
・スクールドッグの導入
・入学式後に災害訓練を校庭でバーベキューで。地域懇親会を合わせてやっちゃおう
・最初の2年は2人校長!※11/6追記

2.軽〜いICTを学校・家庭に定着させる

・オンライン保護者会
・他校との共同・海外講師のオンライン授業の実施
BCPとしての定期在宅授業の実施(月に3日間?)

3.海外に一歩足を踏みだすのは選択肢が増えるダケとわかる仕掛け作り

中3の3学期は海外高校留学(必須):3学期ギャップイヤー
高1.27月初旬海外大学サマーコース参加(任意)
・教員の海外派遣・視察(学校に限らず、社会も見て授業に取り入れる)
・海外経験保護者の授業(プレゼン+ワークショップ)
・中学の期間に英語が好きになるしかけ(希望者)
世界を知っている人との接触回数を増やす:オンラインならどこにでも繋がる
外国の教育の良いところを取り入れる(真似する!)

4.教員・保護者・近隣の目を魚眼レンズにするために!

・オンライン授業等の保護者・関係者への解放
・海外留学説明会:複数回
中高一貫校全国連絡会の発足
・生徒・教員が開催する放課後講座→自分の呼びたい講師がオンライン登壇
海外提携校・団体を作る(中学は高校、高校や大学と)

5.起業体験→失敗してもやり直せば良いことを学ぶには

・教員も生徒も一緒にやってみよう
・自分が好きなことをビジネスにしてみよう
・地元と協力して国内外にソレを届けよう

6.ガバナンスもしっかりと!:計画・実行・微修正・完結のクセをつける

・学校内の「何か達成」をやったでなく「やり遂げた!」に変える
・1年計画を3カ年計画にする
・学校が何を目指すか、ゴールは何か?各職員の役割は何か、を明文化
・校長含む職員の評価制度の見直し
・生徒の成績不服申告制度を作る

7.自分たちのSDGs・STEAMを日常生活に取り込もう
ー学校は小さな日本、それを地球規模に拡大していくには?

・生徒会の二院制(選挙・政治のあり方を考える)
制服/体操服について考える(本当に必要?それでいいの?素材は?地球環境を大切にする仕組みで作られている?)
給食・学食の食材について考える(地域の農家のものはどのくらいの割合?形の悪い野菜にすべて変えたらどんな良いこと・悪いことがある?)
・ダイバーシティの中にいることに気づこう。6学年いるだけでもすごいこと。上級生と下級生という役割は変わる。年功序列の始まりが学校にあった。できる人がすれば良い。序列もいらない。学年を超えて助け合い、友達になって良い。そこから始まる。

8.すべきことを楽しく実行する工夫

リサイクルショップ/カフェを生徒が行う→学校は本来は人が集まる場。誰かの不用品は誰かの必要品、参加する人が増えると集まるものも、欲しい人も増えると言う場を簡単に経験できる。
「楽しいことはみんなで!」と考えたら、子どもたちはいろんなアイディアを出してくるよ
・地元農家の形の悪い野菜のマルシェを学校で定期開催。それを使ったスープやケーキなど、加工品を売っても良いね。やってみる、工夫する。
・体育祭や文化祭、準備の時間を減らして当日や周りを巻き込むことを考えてはどうだろう?それが災害対策や近隣のお年寄りの励みになるかもしれない。卒業生が参加できる体育祭ってみんな東京から戻ってくるんじゃないかな?

9.教員の働き方改革・現在の業務を洗い出し、無駄を減らして新しいことに振り向ける

・教員が休暇の取りやすい環境を作る:計画休暇制度
・他府県・私立校で勤務経験のある教員の採用
・教員用図書コーナー:共有すれば安く済む
・全職員が学校運営に意見を言える場を作る。駒じゃない、全員が主役で主体的に子どもたちの成長に関われる仕組み

実はたくさんの学校関連者や教育をもっと良くしたい人、そして、中高一貫校の生徒にもインタビューをした。なぜそんなことをしたのか?それは国策としても、公立の中高一貫校が増えていくことは明確で、かつ、高校受験がない6年をもっと有意義にするには何ができるかを、保護者の目線とビジネス(実現可能目線)で考え、幸せな大人になる子どもたちのことを考えたから。日本の未来をもっと良くすることを、子どもたちに託すしかない。そのためには自分も一緒に走らないといけないと思っている。

そして、公立学校の場合はあまり予算がないため、今あるものでほぼできることを考えてみた。すると行動や慣習を変えることでいろんなことができるとわかった。生徒の海外留学については家庭がコストを持つ必要があるし、教員の海外研修は場合によっては半額個人負担で、参加者を増やせる工夫も必要かもしれない。

・教員が学校で「言いたいことを言っていい」環境にならないと、生徒が言いたいことを言える環境にはならない。
・教員や保護者が変わる(社会の変化に気づく)ことが、生徒・子どものメリットの最大化につながる。

世界の子どもたちに会えば、日本の子どもたちはもっと活発になるのは明白だ。高校受験がない分、いろんなことができたり、ゆっくりしたり、好きなことを探せる中高一貫校は今後ますます増やすためにも、成功事例としての公立の中高一貫校がどんどん生まれて欲しい。

私のアイディアにはまだまだ改善の余地があるが、何かを考えるときの叩き台にはなるんじゃないかな、と思って書いてみた。ありがたいことに私には、サポートしてくれる人たちがたくさんある。学校関係者もあれば起業家・大企業勤務者・国内外のNPO経営者、専業主婦もあれば、お年寄りもあれば、病院関係者もあれば、、、なぜか、たくさんの方々と関わりながら生きてきた。だからいろんな人の思いがこの文章にも詰まっている。

こんなことを書いていると、学校を作りたくなってきた。新庄剛志さんに声をかけてみようかな、とつい思ってしまうのは、私の行動のクセである。これは自分のアイデンティティであり、大切にしていきたいことだと思っている。

上記アイディアにはすでに成功例となっていることも入っている。しかし、誰かが作った良いことは真似るべきであり、学校現場でブルーオーシャンを目指して血眼になる必要はない。みんなで真似ながら、全体底上げしていくことが重要で、教員も生徒も「なんだ、自分でもできるんだ」と言うことを増やしていくことが、自己肯定感も強くなり、誰かのためにも動ける人間になると思う。steAmのAは0を1にできること。学校にはそんなものがたくさんある。そして、前例がないと言うのはAを否定することになる。誰かがすでにやったことをもっとうまくやれる可能性もあるから、二番煎じも大歓迎と思う必要がある。再現性とはそのことだからね。

3000文字以内じゃないと全体を読んでもらえない可能性が高いのだが、今日はこのまま行きますね。ご清聴ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?