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自分でできる夢の読み解き〜夢のトリセツ8

気になる夢を見た朝、どんな意味だろう?と気になりますよね。夢はもう一人の自分からの手紙。あなたの無意識が、あなたに宛てて、人生に役立つメッセージをくれています。

今回は、自分でできる夢の読み解き方法をお伝えしますね。


【夢の読み解きの流れ】

①夢を書きとめる
  ↓
②夢の素材について連想する
  ↓
③「なってみる」
です。わたしが実際に見た夢を例に挙げて、実際にどんな読み解きをしたのか、書いてみますね。

①夢を書きとめる

まずは、夢のストーリーを書き出しましょう。夢は目覚めて活動を始めると忘れやすいので、枕元にノートを置いておき、夢日記をつけるのがおすすめです。(夢日記の書き方のコツはこちらの記事をお読みください)

【わたしが実際に見た夢】
学校の3階か4階の教室にいる。私がベランダに置いたカフェオレが落ちて、下にいる男子たちにかかったらしく、騒いでいる。まずい!と思うが、私は怖くて言い出せない。次の日、謝ろうと思い、廊下で男子たちを待っている。

②夢の素材について連想する

夢に出てきたもの、場所、人、生き物など、夢に出てきたもの全てが夢の素材です。夢の素材について連想することを思いつくままメモしてみましょう。例えば、上の夢では、学校が出てきましたので、「『学校』から思いつくこと、連想すること、感じることは何だろうか?」と自分に聞いてみます。他の夢の素材についても、同様に連想しました。

【夢の素材についての連想】
・学校・・集団生活のためのルールがある
・カフェオレ・・コーヒーの方が好きだが、胃を労りたい時に選ぶ。
   →本意でない選択
・男子たち・・小学校の同級生のA君を思い出した。A君は優等生ではないが、中心的存在。
・「まずい!」謝ろう」という状況・・そういえば、昔そういうことがあったな。

夢の素材について、夢占いのサイトで検索するのはおもしろいですし、夢の象徴事典が役立つことはあります。ただし、これらは、夢見者にとっての意味合いが反映されていません。わたしの夢の「カフェオレ」から、「コーヒーの方が好きだが、胃を労りたい時に選ぶ」と連想するのは、私ならではでしょう。夢のカフェオレにわたし個人の意味合いが込められているのです。ですから、まずは「連想」を書き出し、自分にとっての意味合いを探り、その上で、必要であれば夢の象徴辞典などを参考にすると良いです。

③「なってみる」

夢の素材のひとつに「なりきって」みましょう。「なってみる素材」は、何でも良いのですが、夢の中で何となく気になった物・人・場所などを直感的に選んでみてください。「なってみる」と言うと、「何それ???突拍子もないことを・・・」と思われるかもしれませんが、この効果は後ほど説明しますので、騙されたと思って、やってみてくださいね。
具体的には、夢の中の素材◯◯に「なりきって」、「私は◯◯です」と言ってみます。◯◯になってみて、どんな感じがするのか、浮かんでくることをメモします。大切なことは、◯◯について語ったり思い浮かべることではなく、夢の中の「◯◯になる」ことです。

わたしは、夢の中の「カフェオレになりきって」みました。

【カフェオレになってみる】
(夢の中の)カフェオレになってみたことを想像して・・・
心の中で「わたしはカフェオレです」と言ってみる。
ふっと浮かんだ言葉は、
「わたしのせいじゃない・・・」

キーワード「わたしのせいじゃない・・・」からの考察

唐突に「わたしのせいじゃない」という言葉が浮かんだため、これは大切なキーワードのように思われました。みなさんも夢の素材に「なってみた」時、ふっとわいてくるイメージや言葉、これらを大切にしてみてください。

「わたしのせいじゃない・・・」という言葉を心の中で反芻していると、ある出来事を思い出しました。小学校の頃に誤って非常ベルを押してしまった事件です。「まずい!謝ろう」という状況も似ています。(実際に、大泣きしてひたすら謝った記憶があり、当時のわたしには大事件でした)

ここでわたしは、「そうか、あの非常ベル事件、「わたしのせいじゃない・・・」という思いを抱いていたのか」、と気づきました。「わざとじゃないのに・・・でも、まずい状況になってる。⇨謝らなければ・・」という気持ちだったかもしれません。ここで、当時は取り扱うことができなかった自分の気持ちに気づくことができたわけです。自分の気持ちに気づくと、「そうだね、そういう思いがあるんだね」と受容することにつながります。

【「わたしのせいじゃない・・・」その後の発見】
その後、さらに興味深い発見がありました。このことについて家族と話していると、家族が「非常ベルを押してみちゃうって、ちょっと茶目っ気あるよね」と言いました。確かにそうかもしれない。そういえば、あの時、友達と「非常ベルのボタンって「強く押す」って書いてあるけど、「これって、押しても鳴らないんだよね」〜って言いながら押したら、鳴ってしまった!という記憶があります。(良い子はマネしないでね。)

ここで浮かんできたのが「トリックスター」です。「トリックスター」は神話や物語の中で、戯言やいたずらをすることで人々を惑わす存在です。物語の中で重要な役割を果たしており、破壊と創造の象徴ともいわれます。

わたしの中に「トリックスター」的な側面があり、どうやら夢はそのことを伝えているのだろうと思うと、腑に落ちました。(自分で腑に落ちるかどうか、これは夢の読み解きでとても大切です。)
人の心にはいろいろな側面があります。私の中の「トリックスター」的な側面・・・そういえばそんな側面もある気がするけれど、あまり表に出していませんでした。(だって、いたずらっ子の「トリックスター」を前面に出すと、非常ベル事件のように、厄介なことになるのですから。)でも、夢はバランスをとる働きがあるのですから、おそらく、今のわたしにとって、「トリックスター的側面」を表現することが必要になっているのでしょう。(おもしろそうだけど、ちょっと怖い・・・)

「なってみる」もうひとつの例

ここで、「なってみる」について、もうひとつ、例を挙げます。「マンガ夢分析の世界へ〜ふしぎなカウンセラーと四つの物語(森田健一著)」の第3章ハナの夢です。27歳会社員のハナは、ひょんなことからふしぎなカウンセラーと出会い、夢について相談するようになります。

【ハナの夢】
アリが巨大な岩を必死で押そうとしている。
(心臓がバクバク。つらくて、ハッとして目が覚めた)

カウンセラーはハナに、この夢の「アリ」になってみたらどう感じるか聞きました。

【アリになってみる】
「苦しい」という言葉が浮かんだ。

ハナは、アリになってみたことで、「苦しい」と言う感情に気づき、がんばりすぎている自分にも気づきました。そして、「今日はいつも頑張っているジムを休んでスイーツ食べに行っちゃおう!」と行動を変えています。

「なってみる」の効果

夢に出てきた物・人などの夢の素材は、自分の一側面の可能性があります。
「なってみる」はことは、自分の中のある側面の視点を取ってみることです。ハナの夢の例であれば、「巨大な岩を無理して押そうとするアリ」のような側面を、わたしの夢の例であれば、「トリックスター」的な側面を、主観的に体験する効果があります。「なってみる」ことで、無視されていた自分の側面を統合することが目指されています。これは、ゲシュタルトセラピーの夢の読み解き方法がベースとなっています。

「なってみる」、どうでしたか?やってみたくなりましたか?(笑)
上のように、夢は自分一人でも読み解くことができます。ぜひ試してみてくださいね。

また、少人数のグループで行う「ドリーム・ワーク」では、対話をしながら「なってみる」などの方法を使いますので、ファシリテーターや他の参加者から質問してもらうことによって、気づきが得られやすくなる良さがあります。

最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ今夜も豊かな夢を〜♪

✳︎長野県松本市で「ドリーム・ワーク」を開催しています。
詳しくはこちらをどうぞ


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