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ミシンの発明は夢がヒントだった?夢のトリセツ5

寝ている時に見る夢は、「問題解決」や「創造性」のはたらきがあります。夢がもとになり、何かを発明・発見した例が数多くあることをご存知でしょうか?いくつかご紹介します。

●ミシン

ミシンもその一つです。ミシンの開発をしていたエリアス・ハウは、針の穴の位置をどこにすべきか頭を悩ませていたそうです。するとこんな夢を見ました。
【夢】未開人が槍を持っている。槍の先を見ると、穴が開いている。
この夢がヒントになり、ミシンの針の先端に糸を通す穴をあけたのです。

●ベンゼン環

化学者ケクレが、ベンゼンという化合物について、夢からインスピレーションを得たのは有名な話です。
【夢】何匹かの蛇が自分の尾を噛んで円環をなしている
この夢から化学者ケクレはベンゼンの環状構造を思いつきました。

●悪魔のトリル(タルティーニ作曲)

18世紀の音楽家タルティーニは、ソナタを作曲しようとしていたが、うまくいかず居眠りをしました。
【夢】悪魔があらわれて、タルティーニのバイオリンをとり、見事なソナタを演奏した。
タルティーニが目覚めてから記憶を頼りに書き上げたものが有名な「悪魔のトリル」です。作曲家が夢で曲を聴いて、それを譜面にうつした例は、他にも多くあるようです。

また、作家の吉本ばななさんは、何かの対談で、「小説の肝心なところは夢で見てくる」とおっしゃっていた記憶があります。(個人的感想ですが、彼女の紡ぐ物語は、日常から離れて夢を見ているような感覚にさせられます)

●夢はインスピレーションの宝庫

夢はまさにインスピレーションの宝庫のようですね。夢はどこからくるかと言うと、あなたの無意識からのメッセージです。無意識には、色々なものが入っています。心の傷や非合理的な信念などもありますが、それと同時に無意識には、わたしたちの潜在能力、リソースが存在しています。生命力やアイデア、英知などです。

夢がわたしたちの潜在能力を生かすためにメッセージを送ってくれているとすれば、夢が問題解決を助けてくれたり、発明や発見、創造性につながっていたりすることもうなづけます。こう書くと、「発明や発見に興味があるわけじゃないから・・・」とか、「作曲家とか小説家とか芸術家・・・自分とは違う」と思う方もいらっしゃるでしょう。でも、人が生きてく上で、未知の出来事に遭遇して、対応しなければならない場面は多くあると思います。自分がよく知った昼間の意識の範疇の外にある、つまり「無意識」に存在している英知、生命力などのリソースとつながることが、より自分を発揮して生きることの助けになるのではないでしょうか。何より、今まで気づかなかった自分に気づいていくプロセスは本当に興味深いです。

表現アートセラピストの小野京子さんは次のように書かれています。

大切なことは、潜在意識との対話です。気づきは潜在意識からやってきます。今まで気づかなかった自分を発見し理解し、潜在能力との良い関係を気づくことが大切なんです。別の言葉で言うと潜在意識に対して心を開く、そこから学ぶ姿勢を持つ、メッセージを受け取ろうとする姿勢といえます。

そのためには、夜見る夢に注意を払ったり、瞑想したり、アート表現したりするといいんです。

「アート表現で自己開花〜頑張ってきたあなたへ アートで次のステージへ」小野京子著

夢をよく見る、覚えているという方は、夢日記を付けると気づきが得られやすくなります。
(「夢日記の書き方のコツ」はこちらに書きました)

夢を覚えていない方も、この記事で夢に興味を持っていただけたら嬉しいです。こんなに自分を助けてくれるものを、毎晩見るチャンスがあるのですから。(しかも眠るだけ)

最後までお読みいただきありがとうございました。今夜もどうぞ良い夢を。

参考文献
「心の援助に活かす「夢の」基礎知識」平井孝男著 創元社
「アート表現で自己開花〜頑張ってきたあなたへ アートで次のステージへ」小野京子著


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