老人ホームで働いている私が最近、考えたこと

『人は亡くなることを病院では、病院側も利用者側も理解しています。介護施設では、病院のようなある種の割り切れが存在しない。』という言葉に出会った。

私が働いている老人ホームでも最近1人、入居者様を看取った。約7年老人ホームでの生活していた入居者様だった。以前はご家族が週に1回以上面会に来ていたので、入居者様の様子を理解していたし、職員ともよい関係を築けていた。いまは面会制限がある老人ホームが多い。今回のケースで言えば、基本的に面会は予約制のガラス越しでの面会対応であった。今回は医師の判断により看取り対応となって以降、短い時間ではあったが2人までと人数制限とフェイスシールド、マスク、グローブ、予防着着用というルール中でお部屋での面会時間作ることができた。ずっと手を握りながら話かけている様子はとても印象に残っている。お部屋での面会と月に1回のガラス越しでの面会ではやはり全然違う。ご家族が入居者様を本当に大切にしている気持ちが伝わってきた。

 面会制限のある生活が始まって2年経過した。2年あれば老人ホームで生活している高齢者は、歩いていた人が歩けなくなって車いすの生活になってしまったり、食事を食べられていた人があまり食べられなくなり体重が減少するなど、よくない方向に変化してしまうことがある。面会ができていたときにはご家族も日々の変化を肌で感じて理解してくれているため共有できていることが多い。面会が自由にできない現状では、身体の変化を老人ホーム側が情報提供しないとご家族は知ることがむずかしい。久しぶりにあった家族が以前は歩いていたのに車いすの生活になっていたらどう思うだろうか…。『介護施設では病院のようなある種の割り切りが存在しない。』だからこそ、電話連絡かもしれないし、手紙、もしかりたらメールやLINEかもしれない。状態に変化があったとき、ルールを決めてご家族と入居者様の様子を共有することは信頼関係の構築につながり、『割り切りが存在しない老人ホーム』ではなくなり、入居者様やご家族様の満足のいく生活につながると思っている。

老人ホーム側も努力も必要だが、これを見たご家族様には、面会以外にも老人ホームに電話をして様子を確認するなどすると、大切なご家族の状態を確認でき、老人ホームとの信頼関係も構築でき良いことしかないのでオススメしたい。

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