見出し画像

正解とか妥当じゃない。自分軸から見えてきた人との向き合い方


わくわくして動き出さずにはいられない原動力「わくわくエンジン®」を持って活動している方たちを紹介する連載「わくわくエンジン®図鑑」。
認定NPO法人キーパーソン21がお届けします。
 

今回は、関西の面白いおじさん。いえ失礼しました、キーパーソン21副代表理事の本田律さんにインタビューしました。律さんといえば、その場の空気を和ませてくれ、盛り上げてくれる人。優しい問いかけからその人の伝えたいことを引き出してくれる方ですが、以前は論破するか、されるかの緊張した接し方だったと言います。企業人、お父さんとしてどのように変わっていったのでしょうか?ぜひご覧ください。

【図鑑No.9】
お名前

本田 律
お仕事
問題を整理して、ズバッと解決策を考えること
わくわくエンジン®
人や物事が本来の姿やありたい姿になり、最大限の力を発揮できるように、自分の力や資源をフル動員してサポートすること

自分のことを自分の言葉で語れない、そして気付いてしまった・・・


ー ー キーパーソン21に関わるようになったきっかけは?

2013年に以前からなんとなく興味を持っていたキャリアコンサルタントの資格を取得し、その活かし方を考えあぐねて、さまざまなセミナーや勉強会に参加していました。そんな中、とあるセミナーに登壇された、キーパーソン21代表の朝山あつこさんの講演を聴いて「あっ、これだ!」とビビッときたんです。自分の中にあった問題意識とぴったりだと感じました。

ー ー どんな問題意識をお持ちだったのでしょうか?


長年、新卒採用担当として多くの大学生と接していました。面接していると、自分のことを自分の言葉で語れない子がけっこういるんです。

発する言葉からはその子のことが全然見えて来なかったり、良いところがいっぱいありそうなのに自信を持って話せなかったり。良さが出せていなくてもったいないなぁと思いながら、限られた面接時間の中で自社の基準に照らして合格、不合格を出していました。

でも思い起こしてみれば、自分もそうだったなと。成績で学校を選んで、多少興味があるくらいの曖昧な基準で会社を選んで受かったから入った。今の大学生も同じで、そんな風になんとなく生きてきたのに、採用面接で「あなたは何をしてきましたか」と問われても自分らしく語れるはずがないですよね。そんな彼らを見ていて、早い時期から「自分軸」を持つことの必要性を感じていました。

また、当時高校1年生だった娘にも「将来なりたいものはない、すきなものもない、分からない」と言われ、このままでは面接で出会う大学生と同じになってしまうと危機感を持ちました。

そして、気づいてしまったのです。

キャリアコンサルタント資格取得のための勉強を通じて「自分がやりたいことって何だろう?そんなこと考えたこともなかったな。やりたいことなんてないかも・・・」という自分自身に。

画像2

こんな問題意識に朝山さんの「わくわくエンジン」の考え方がぴったりとフィットしたんです。

バラバラやなくて、ブレずに軸通ってるやん!


ー ー どんなわくわくエンジンを発見しましたか?

キーパーソン21の会員になり活動を始めた当初のわくわくエンジンは、「すべての人が、自然に、自分らしく、いきいきと、人生を送ることができる社会を実現すること」でした。

それまで自分は何がやりたいのだろう?これからどうしていけばよいのだろう?とモヤモヤしていましたが、自分を言語化できたことですっきりしたことを覚えています。

その後も何度か「すきなものビンゴ」のプログラムを通していろんな観点から自分自身のわくわくエンジンを見つけているのですが、現在は「人や物事が本来の姿やありたい姿になり、最大限の力を発揮できるように、自分の力や資源をフル動員してサポートすること」です。

これまで深く考えて生きてこなかったけれど、わくわくエンジンが見つかって、これまでやってきたことの説明がつきました。

・まちづくりに興味があったこと
・キャリアコンサルタントの資格に興味をもって一生懸命勉強したこと
・なんとなく新卒で経営コンサルタント会社に就職したこと
・娘の成長とともに保育園や学童の保護者会、PTA活動と子どもを応援する活動にやりがいを感じたこと

思うがままにあれこれ手を出して節操がないなと思っていたけれど、

全部わくわくエンジンでつながってるやん!
オレってバラバラやなくて、ちゃんとブレずに軸通ってるやん!

とスッキリ吹っ切れた感がありました。
自分軸に気づけたことで安心感が得られましたね。

迷いがなくなり、世の中基準から自分軸へ


ー ー 発見後、ご自身に何か変化はありましたか?


自分のやってきたこと、やっていることがすべてわくわくエンジンにつながっていると思えると迷いがなくなりました。どれだけ自分のわくわくエンジンに直結しているかという発想で考えると、何をやるかを決めやすいです。それまでは一般的に正しいとか妥当と思われることを基準にして、それに近い行動を取ろう、正解を探そうとしていたけれど(世の中基準)、

正解とか妥当じゃない、自分軸にぴったりフィットするかどうか

という基準で判断するようになりました。世の中基準ではなく、自分軸で判断して動くと自然と力を発揮できます。

例えば、会社で訳の分からない仕事が振られてきた時、世間一般が面倒くさいという仕事であれば、以前なら自分もそう思って取り組んできました。そうすると、これって意味のある仕事?なぜ自分がやらなければならないの?という考えが行動力を押さえ込んでしまう。

しかし、自分軸で取り組むと、いつの間にかめり込んでやっている。もともと複雑に絡み合ったものをほぐしていくことが好きだから、そこを自然と活かして仕事をこなしていけるんです。気がついたら周りの人たちから「本田さんは面倒くさい仕事ばかりやっているね」と言われるようになっていました。また、

正解を求めなくなり、そもそも正解はないんだ

と気づきました。
だから、人との接し方においても、
「相手は間違ってて自分は正しいから、相手にいかに間違いに気づかせて正しい答えに導くか」というコミュニケーションパターンから

相手の言い分は自分とは違うがなんでだろう、どこが違うんだろうを知ろうとするようになりました。違いを知ったら「それってなんでそうしたのか、そう思ったのか」と相手に問いかけるスタイルに変わった、って感じかなぁと。

「論破しよう、論破されまい」っていう緊張した感じから
「正解ないし違うの当たり前だからどう折り合おうかなぁ」って、緊張せずゆるく人と向き合えるようになりました。

ritsu03のコピー


そうして我が子に対する接し方も変っていきました。
それまでは親として安全で安定な道を選び、良かれと思うことをあれこれ言ってきました。

娘は間違っているから親としてその間違いに気づかせて正しい方向に導かなくては、そんな姿勢で向き合っていたと思います。それではどうにもならないということは頭ではわかっていても、我が子となると考え方を切り替えるのは難しかった。

まず世の中基準は横に置いて、娘の言い分は、自分の考えと何が、どうが違うのかを知ろうとしました。何故そうしたのか、そう思うのかを娘に問いかけるようにしていくうちに、ゆるく向き合えるようになった感じがします。娘の人生に正解はないし、自分とちがうのは当たり前。
そんな当たり前が世の中基準フィルター越しでは見えにくくなっていたようです。

自分を発揮できずにいる人を減らしたい


ー ー 今後やってみたいことは何ですか?

枠に囚われ、世の中の価値観、親や学校に縛られて窮屈な思いを抱え自分を発揮できずにいる人をひとりでも減らしたい。みんなが伸びやかに自分の持ち味を存分に発揮して生きていって欲しいと願っています。

つまり、わくわくエンジンを当たり前の社会を実現したいですね。そのためにもオンラインでの発信と草の根的な広報活動を組み合わせてやっていきたいです。キーパーソン21の会員は全国にいて、活動の場も広がってきています。

ひと昔前では想像もしなかったことが起こる世の中、敷かれたレールの上を歩んでいれば安泰とか、ステレオタイプな価値観で生きてきた世代の人たちもこのままではダメだろうなと思い始めているはず。

自分で選択して生きていく時代にキーパーソン21の考え方は求められているし、その重要性は増していると感じています。今後は、わくわくエンジンの話は聞いたけどイマイチ理解できないな、言っていることはわかるけどきれいごとだよねと思う人たちにもしっかり届けていきたいです。

画像1

(ライター・ようちゃん)

わくわくエンジンって何?はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?