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みんなが思うことは全部まる! 体験した先生が何度も呼びたくなるプログラムとは

\  新潟にわくわくエンジンが広がっています!/
快進撃をつづけるキーパーソン21チームにいがたで活躍されている寺嶋聡美さん(てらちゃん)のわくわくエンジン図鑑です。とても素敵な笑顔の彼女も、子育てで不安を感じたり悩んだ時期がありました。わくわくエンジンと出会い、どのような心境の変化が起きたのでしょうか?

またチームにいがたの学校実施の舞台裏についても伺いました。なぜ先生方はチームにいがたを学校に呼びたくなるのか?その答えを垣間見ることができました。同じ「てら」つながりのてらっちがお話をお聞きします。

わくわくして動き出さずにはいられない原動力「わくわくエンジン®」を持って活動している方たちを紹介する連載「わくわくエンジン図鑑」。
認定NPO法人キーパーソン21がお届けします。

【図鑑No.30】
お名前


寺嶋聡美(てらちゃん・チームにいがた副リーダー)

お仕事
『シャイニングキッズ』という塾を主宰し、安心できる環境で、自分の力をより伸ばし、発揮できるようにサポートすること。
『21世紀型教育を考える会にいがた 〜ひろげよう対話の輪 考えよう私たちの学び〜 』を友人と立ち上げ、以下の対話活動を展開中。
・イエナプラン ダイアローグカフェ
・教育ドキュメンタリー映画「Most Likely To Succeed」上映会&対話会
・子ども哲学対話

わくわくエンジン
いろんなことを知ったり、結び付けて仲間と一緒によりよいものを作り出すこと

点数に自分の価値を当てはめて苦しんでしまう子どもたち


—— てらちゃんは「シャイニングキッズ」という塾を経営されていますね。名前に込めた思いをお聞かせください。

子どもたちって本来、目をキラキラさせ、生き生きとした存在です。学ぶって楽しい、わかるって嬉しい!という気持ちになってほしいと思い、名付けました。

勉強をさせるために「今のままじゃ全然だめだ」「この目標までできなきゃいけない」と不安をあおるのではなく、子どもたちには「これができたら嬉しい」という気持ちでやってほしいんです。不安ベースだと苦しいですよね。

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たとえば受験勉強で不安を感じると、子どもたちのエネルギーが「不安」にとられてしまい、学びたくても学びに集中できません。

点数に自分の価値を当てはめて苦しんでしまい、「どうせ私なんか馬鹿だから、幸せになんかなれません」って自分自身を全否定してしまう子や、周囲に合わせて本当の自分を出せず苦しんでいる子もいました。

本当はいいところがいっぱいあるのに。

どうしたらみんな自分のいいところにもっと気付けるんだろう、自分にもっと自信を持てるんだろう。

「これたのしい!わくわくする!」
「なんでこれは、こうなっているんだろう?」

このように心が動く瞬間が、毎日の中で1分でも1秒でも長くあったらいいと、学びの形を模索している時に、わくわくエンジンを紹介しているyahoo!ニュースに出会い「これだ!」と思ったんです。

—— きっかけは、湯浅さんの記事でしょうか?

そうです。けいちゃん(チームにいがたリーダーの渋谷佳子さん)が湯浅さんの記事をシェアしてくれていて。それからわくナビ養成講座を受け、チームにいがたで共に活動しています。

—— てらちゃんのわくわくエンジンは何ですか?

「いろんなことを知ったり、結び付けて仲間と一緒によりよいものを作り出すこと」です。
発見した時は、今までの点と点だった活動が、ひとつの線でつながっているんだなと感じました。


「何のために?」「目的ってなんだろう?」と考えが変わった


—— わくわくエンジンを見つけてご自身の中で起こった変化があれば教えてください。

いろんな視点からいろんなものごとを見られるようになり、自分自身の枠が広がりました。

1人目の子育てはすごく苦しかったんです。こうしなきゃという枠があって、すごく苦しくて悩んだんですけど、わくわくエンジンに出会って子育ても人間関係もすごく楽になりました。

例えば、ピアノを習うと先生に「ここまで弾けるようになってきてね」と課題を出されますよね。長女のときは、そこまで弾けるようにするのが親の責任みたいに思って、練習させていました。弾けなくてヤダ!やりたくない!っていう時も、「もっと練習しなきゃだめだよ。なんでまじめにやらないの?」と私がイライラし、娘が泣いてしまうこともありました。

でもそれって、わたしがやってきたことを子どもにやらせていただけ…

日常で音楽を楽しんでもらいたいのが目的だったのに、練習させなきゃ、ちゃんと課題まで弾けるようにさせなきゃ!と、楽しさを失わせてしまっていたと反省しています。

ついつい目先の成果や出来事にとらわれてしまいがちですが、わくわくエンジンに出会ってからは「何のために?」「目的ってなんだろう?」と長いスパンで考えるようになり、相手を尊重できるように変わったのかなと思います。

ちなみに長女は今、ピアノで好きな曲を弾いたり、ギターでの弾き語りにハマっています。本当にやりたいことって夢中になって没頭してどんどん上手になっていくんだなーと、実感しています。
まさにわくわくエンジン!

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そして次男のときには、子どもが楽しく自分の好きな曲を弾けるようになればいいと考え、先生に承諾を得て、ピアノ練習本ではなく弾きたい楽譜を持っていきその曲だけを教えてもらいました。グレードテストも一切やらず、好きに練習して好きな曲を弾いて。今も、登校前に好きな曲を弾いて、テンション上げて「行ってきます!」と、とても楽しんでいますね。

わくわくエンジンに出会ってから

楽しそう!
やってみたい!
できた!
嬉しい!
できなくてくやしい!
本当はどうなりたい?

その感情を受け止めて、やりたいことのじゃまをしないで見守りながら伴走する。この大切さを実感しました。

新潟に広がるわくわくエンジン


—— 昨年(2020年)チームにいがたは大活躍!新潟各地でキーパーソン21のプログラムを実施。異動した先生が赴任先でもチームにいがたを呼んでくれたと聞きました。

はい、それがとても嬉しくて!新潟市立大形小学校で毎年呼んでいただいているほか、そこから異動した先生が「ぜひ赴任先でもやってください」と呼んでくださって。同じようなお話を3〜4校くらいからいただきました。

—— 3〜4校ということは、先生1人ではなく?

はい、異動された何人かの先生が呼んでくださったんです。
また、2019年にお世話になった学校からは、全学年に向けてのプログラム実施のお話があり、今年やってきました!全校生徒に!
(※『すきなものビンゴ&お仕事マップ』というわくわくエンジンを発見するプログラムは小学校高学年以上の子どもたちに届けることが多い)

—— おお、それはすごいですね!

1、2年生は「すきなものビンゴ」をやりました(わくわくエンジンを言語化しない簡易的なもの)。好きなものと好きな理由を言ってもらう時には、もう上がる手が止まらなくて。

3年生はもう少し進めたプログラムを、そして4年生以上は、プログラムをすべてやり切り、それぞれ自分のわくわくエンジンを言語化しました。

でも始めたばかりの頃は、子どもたちのわくわくエンジンの引き出し(言語化すること)がうまくいかず、半分くらいの子どもたちしか言語化できなかったんです。
そこで、毎回チームにいがたメンバーで実施後の振り返りを大事にし、かける言葉を変えてみたり、同じ学年の子の例を見せたりと、試行錯誤しながら改良しています。

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みんなが思うことは、全部まる!


キーパーソン21のプログラムがとてもいいと思うのは、「枠」をはずして、まっさらな状態から自分の好きを探すところですね。

はじめに決まった枠に当てはめて将来を考えるのではなく、自分のわくわくエンジンってなんだろうって友だちと会話したり、自分が納得できる言葉を、「好き」や「わくわく」という感覚で出すんですね。⾃分と向き合って、⾃分がしっくりくる⾔葉や感覚を探究していく、まっさらで何もないところから始めるっていうのがすごくいいと思っています。

ただ、子どもたちも学年が上がるにつれて「こうやって言わなきゃ」みたいな枠ができています。でもその枠も、ゲームをやっているうちに次第に外れると、出てくるものがいっぱいあるんですね。

学校実施の時には、いつもこう言っています。

「みんなの好きなこと、感じていることに間違いはありません。みんなが思うことは全部まるです。だから思うことはなんでも言ってね、なんでも書いてね」

先生方の振り返りでも、「あの言葉いいですね」と言ってもらえています。

子どもたちも評価されて生きているので、「いいこと言わなきゃ」「間違えたらどうしよう」と枠で考えてしまう子もいるので、ここはすごく大事だなと思っています。

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先生方の変化

学校の先生方に「子どもたち自身に言語化してもらう」と説明をすると
「そんなのむりですよ。難しいでしょう」と言われることもありますが、

でもできるんです、子どもって。

だからプログラムが終わった後は、すごく驚かれます。

「こんなにできるなんて思いませんでした!」
「こんなに言語化できるんですね」

また、こんな感想もいただきます。

「わたし子どもたちの話を聞いているつもりだったけど、聞いていないのかもしれない」
「ジャッジせずに聞くって大切ですね」
「どうしても自分は担任なので、子どもたちを評価をする人になっています。評価せずに受け止めてくれる人がいると、子どもたちはこんなに生き生きとして話をするんですね」

わたしたちは学校の先生でも、親でもない、第三者の大人として子どもたちと関わることができる立場にあります。だからこそ、子どもたちに対して「引き出す、認める、伴走する」をやり続け、今後も先生の力になれたらいいですね。

これから向かっていく先に 見えるもの


—— これからやってみたいことがありますか?

わくわくエンジンを活かしあって、表現しあえて、子どもたちに不安のない、安心安全でいられる場所を作りたいですね。

それは大人も子どももごちゃまぜで、先生や地域の人も巻き込んで、みんなが心地よく、わくわくを分かち合える場所。心動く体験や学びができ、成長できる場所。

それは、「キーパーソン21」や「21世紀型教育を考える会にいがた」などの今やっているすべての活動の延長線上にあると思っています。

わくわくエンジンに出会ってから同じような志の方と出会うことができるようになりましたから、これからも仲間たちと一緒に、よりよいものを作りたいという意識があれば、自然とそうなっていくのかなと思っています。

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※キーパーソン21のプログラムとは?
【すきなものビンゴ&お仕事マップ】
ビンゴゲームを通して楽しみながら、自分のすきなものや大切に思うことが世の中の仕事とつながっていることに気づかせ、子どもたちの主体性を引き出します。
学校実施のほか、オンラインでも不定期開催!
http://www.keyperson21.org/activity/program/bingo-map


編集後記
学校実施や塾、その他の活動すべてにつながる「子どもたちにキラキラと輝いてほしい」という塾の名前そのままの温かい想いがビシビシとこちらに伝わってくるインタビューでした。
終始笑顔で、わくわくするままに活動を展開しているてらちゃんの話をお聞きしていると、「自分の地域でもきっと何かできるのでは?」「わたしも何かやりたい!」そんな「わくわく」が伝染してきます。(伝染してるのはわたしです)

新潟の未来はとても明るい!
てらちゃんのこれからの活躍を、ますます楽しみにしています!

(ライター・てらっち)

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