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赤い箱に仕舞う

長い長い一日が終わった。
昨日の朝7時半に始まって、今日のお昼12時半に終わった、29時間の一日。



うっかりコタツで寝てしまって、途中で起きたのに二度寝して、迎えた朝7時半。

シャワーを浴びてる時も、バタートーストを食べながら味がわからなくなっていく時も、私はドギマギそわそわしていた。
何かに引っ張られたい気持ちと、引っ張られてはいけないという気持ち。

『自分に素直になる』
ってこんなにも難しいことなのかと思った。
素直になりたいけど、素直と呼べる自分が何人もいる。どれを選んでも素直だけど、選ばれない素直がいる限り素直じゃないのか…?

結局、引っ張られるほうを選んだ。 
ここからはハイライトで。


寒い日はチョコに限る、
って誰か言ってた


9時、車に乗ってしまったあ
座ったのは自分やからね。ここが始まり。

後部座席で揺られながら、パソコンをカタカタ課題をやった。課題はやるんかい。


お昼前、一年ぶりのスキーに行った。
頭のなかはしばらくずっと、SHISHAMOの”君とゲレンデ”だった。

『怖い』という感覚はおもしろい。
いつまでも初心者だから、ぜんぜん止まれない。緩やかに、なめらかに滑れない。
何回も何回もズッこけて、板がはずれて、手握ってもらって身体支えてもらって立ち上がって。
でもね、ぎゃーって叫びながら風を切る感覚、止まれなくてどこかに落ちてしまうんじゃないかって感覚、いつどこでも味わえるものじゃないから、楽しいんよ。


あと、
「かっこいい〜!!」
って誰かに対して思う感覚をずーっと掴めずにいる人生だけど、人のカッコよさって『自信』から来るものなのかもなって思った。
誰かの自信を垣間見た時、私はキュンとするのかもしれない。
そんなふうに目が輝くんだな、力が宿るんだな、って気付く瞬間がすき。
そういえば、これまでもそういうことがあったなって思う。
私もかっこよくなれる何かを見つけたい。


夕方、スキー場からの帰り道、自分とは対極にいるように見えるけどだいすきだな〜と思う先輩とおしゃべりできた。車の中で二人きり。
「世界よ、私が羨ましいだろ〜!」
って思った。
めんたいこ味のじゃがりこをポリポリとかじりながら、変わりゆく『常識』の話をした。
キュートさとハンサムさを兼ね備えてるの、最強すぎるよなぁ。


夜、お寿司屋さん。
ひときわ輝いて見えた『さばみそ』の文字。
みんなして目をかっぴらいてしまうほど美味しかった。超ビミ。
手のひらの中で湯呑みをぽかぽかさせながら、ニコニコみんなのことを見てた。


9時くらい、定例。
ここだけちょっと現実だった。
向き合わなきゃいけないこと多いなぁ〜って落ち込むことが多かった最近の日々。
ちょっとだけ光が見えてきたような、まだまだ薄暗いところでもがいているような、なんとも言えない気持ち。
安心もワクワクも、両立できる環境と関係を築ける人でありたいと思った。まだまだ修行が必要だね


そのあとビールで少々プハァっとしてたら首が座らなくなってきた。…つまり酔った。

世の中にはいろんな『頭の動き』があるらしい。
頭の中って透明になってて見えるわけじゃないから、言葉にして切り取ってもらわない限り何が起こってるのか分からない。

この人の瞳はいったいどこを見てるんだろうと思うことがあるけれど、私がそんなことを考えている数秒のうちに、その人の中ではたっくさんのことが繋がり広がり蠢いてるんだなと知った。
おもしろいけど、ちょっと寂しいなとも思った。
ちなみに私の頭の中は、過去よりも未来、経験よりも妄想との繋がりを作りがちみたい。


酔い夜、映画鑑賞。
どんどん夜が更けていくことにぷち切れしながらも、どこか嬉しがってる自分がなんとも腹立たしい。なんなん!

最近、北千住で出会った不思議なオッチャンに「あなたね、若いうちは映画をたくさん観なさい!」って言われたことをきっかけに、ようやく興味を持ち始めた映画の世界。
今日はLEONを観た。
レオンもマチルダも大好きになったけど、なによりも、ああやって世界のどこかで私の知らない物語が紡がれてるんだな〜って想像することが楽しかった。


深夜、映画終わり、もうぐったり。
やっぱり帰れなくて、寝させてもらった。
一昨日の同じ場所はびっくり暖かかったのに、今日はとんでもなく寒い。
床との距離およそ10センチメートル、
心の髄まで震えるような寒さに冬を感じて、どこか嬉しい気持ちになった。 


一日ずっと、🚬。
今までもこれからも私が煙草を吸うことはないだろうけど、煙草の匂いは嫌いじゃない。
自分で一線を引いてしまっているからこそ、ちょっと羨ましいし、憧れたりもするし、ふう〜っと煙を吐く姿もよいなぁと思ったり。
「好き〜!」とか軽率に言っていいのか自信がないから言わないんだけどね、あのどこか懐かしい匂いが心地よかったりする。



朝、目覚ましの音で目が覚める。
自分の携帯のアラームだったら絶対起きないのに、誰かの音だったら起きれるもんなのね。
二度寝して、三度寝して、サメ抱えて、寝る。

もうさすがに寝切ったな〜って時、本棚に横置きされていた「羊と鋼の森」が目に入って、ページを捲ってみた。

本から音がする。
文字から匂いがする。

一瞬で引き込まれてしまった。

さすがに読みきれなかったけど、なぜか2冊あったから1冊もらうことになった。
ありがとね。


昼前、
雪積もったな〜ちょっと冬が戻ってきたな〜とか思いながら帰る。
濃い濃いラーメンを食べながら、これを書く。

濃さを軽減するために、って
おにぎり握ってくれたの笑




私の奥底でふつふつと湧いている感情の在処を確かめたかったけど、今日だけじゃ足りなかった。

確かだな〜って思ったことはふたつ。

ひとつめは
『いいとこ見せるんじゃなくて
 いい顔が見たいだけ』
これしかないなぁと思ったこと。
Present(TOMOO)の一節。最近好きでよく聴いてたけど、今日はスキー場でもデイリーヤマザキでも流れてた。

誰にでも「よく思ってもらいたいな」って気持ちはありつつ、自分じゃない誰かの感情ってどこまでいっても分からないし、コントロールできるもんじゃないし、考えても考えても終わりがなくて分からん。
それが諸モヤの根源だったりするんだけど、
『いい顔が見たいだけ』
はなんだか腑に落ちた。
いい顔みれて、いい日だった。


ふたつめは、
今日の私は圧倒的『主人公』だったこと。
たまーにある、こういう日。

自分を自分で映して切り取る。
一瞬一瞬が、光景が、音が、感覚が、なんだか映画みたいに流れて繊細で、キラキラしてて愛おしい。
名もなき物語の、すんごい大事件が起こるわけでも大恋愛が始まるわけでもない平凡な物語の、とある主人公。


またこんな日があるといいなぁとか一瞬思ったけど、もうなくていいや。笑


いつか自分で何かつくることがあるのなら、
今日のことを描くのかなぁ。

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