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『THE FIRST SLAM DUNK』 と「物語」の問題

少し前のことになるが、『THE FIRST SLAM DUNK 』を観てきた。と、いうか実は公開直後に観ていたのだけれど、昨年末は取り上げたいテレビドラマの完結が多くてここに書くタイミングを逃してしまっていた。

結論から述べてしまえば、この作品はその表現の技法においてこの国のアニメ史にとって大きな達成になるように思う。そして、というか「だからこそ」この映画の物語面、つまり原作マンガのクライマックスである「山王戦」を再構成した宮城リョータの物語(の扱い)には2020年代の今日における「劇映画」という表現が直面している困難が露呈しているようにも思えるのだ。

マンガにとって『SLAM DUNK』とは何だったか

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