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『THE FIRST LOVE 初恋』と「90年代」の問題

10代を北海道で過ごした人間のひとりとして

 少し前になるが、『THE FIRST LOVE 初恋』をイッキ見した。僕は主演の佐藤健と満島ひかりの割と初期からのファンで、配信を楽しみに待っていた。さらに言えば、僕は登場人物たちの設定とほぼ同年代で、同じように90年代に北海道で10代を過ごしている。なので、いろいろ感情移入しやすい要素も揃っていて、最後まで楽しみに見終えた。蛇足ではないかと指摘されている最終話も、僕はいい意味で夢のあるエピローグで良かったように思う。
 しかし今回はそれとは別の観点で、この作品を観て引っかかったこと、考えたことを書いてみたい。それはさすがに子役が似てなさすぎるとか、旭川と札幌と小樽を登場人物たちがカジュアルに行き来しすぎている(北海道の広さを舐めんなよ)とか、そういうことじゃなくてもっとこの作品が前提にしている「J−POP的な」と(僕のようなオタクには感じてしまう)世界観の問題なのだ。

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