『砂漠と異人たち』のミスを自分で発見したので訂正します(ごめんなさい……)

宇野です。いきなりですがついさっき、今夜の宇野常寛ゼミの準備をしていて、『知恵の七柱』を読み返していたら1点、ミスに気づいてしまいました。何度も資料に当たりながら読み返したのに……。僕も修行が足りません。反省します。

論旨とか関係ないところだけど、版元と相談して正誤表を出しますが、とりあえずここに簡単に説明します。

ミスはP306に僕が『知恵の七柱』の私家版をロレンスが自ら印刷製本や割り付けの指示を出していたことを忘れて書いていた部分です。つまり「ロレンスはその生涯において何冊か本を記したが、自らそれを印刷し、製本し、流通する主体になったことはなかった。」が間違い。
正確に記すなら「ロレンスはその生涯において何冊か本を記した。『知恵の七柱』の私家版ではそれを印刷し、製本する指揮を取ったがこの作業に喜びを見出すことはなかった。」になります。

ロレンスが私家版の制作時に、精神状態が悪化して正直言って本当に必要かかなり怪しいテキストや割り付けの変更にこだわるようになり、その難航によりストレスを抱えていったのはジェレミー・ウィルソンがオックスフォード・テキスト版を編集したときに指摘していて、僕も完全版の付録で何度か読んだし、訳者(田隅恒生)の著作でも触れられていたのに……。完全にこの部分を書いたときに頭から抜け落ちていました……。

細かい部分ですが、制作の快楽をロレンスがそもそも視界に入れなかったのではなく、むしろ戦後の精神状態によって許容できなかったのだと考えたほうが正確だと思います。大変失礼しました……。猛省し、精進します。


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