氷室冴子──認められたい娘|三宅香帆
今朝のメルマガは、書評家の三宅香帆さんによる連載「母と娘の物語」をお届けします。今回は小説家・氷室冴子が描いてきた母娘関係をめぐる考察です。「働く女」として従来の女性像を追求する「母」との対立を自らのエッセイに綴った氷室の母親観を、1984年の小説『なんて素敵にジャパネスク』での母の不在から読み解きます。
三宅香帆 母と娘の物語
第四章 氷室冴子──認められたい娘1.弱い母──団塊の世代とその後第一章、二章で扱った萩尾望都と山岸凉子はそれぞれ1949年生まれ、1947年生ま