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宇野常寛コレクション

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記事一覧

すでにサイバースペースの半ば支配下にある実空間において、建築的アプローチの果たすべき役割とは|宇野常寛

すでにサイバースペースの半ば支配下にある実空間において、建築的アプローチの果たすべき役割とは|宇野常寛 編集部から2030年に考えられる社会と文化の変化について、というテーマを受け取ったのだが、これが悩ましい。もちろん、相応の説得力のある賢い文章をその回答に充てることはそれほど難しくない。データの羅列と、それを意味づける横文字によってその説得力を増すことも、手間はかかるがある種の語り口がテンプレートとして確立しているので精神的な労力はむしろ低くて済むだろう。しかし、私に求めら

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宇野常寛インタビュー<情報過多の時代に市民(=主体)はどうあるべきか>

情報社会における市民=主体はどうあるべきか──パンデミックの蔓延、人々のインターネットへの常時接続、未曾有の状況の前に放棄された思考、民主主義という制度に支持された監視と統制……閉塞した現状をいかにして開くことができるのか。その思考実験が、異人たちの人生と思想を通じ、弛まず繰り返される本でした。 宇野 この本はコロナ禍の中で書かれた本で、その影響はやはり大きいです。ただ、僕の関心はたぶん世間とはかなり変わっていて、このパンデミックがインフォデミックに支えられていたことにあり

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なぜ、Web2.0下の民主主義はうまくいかないのか:疫病と戦争の時代と脱プラットフォームの思想|宇野常寛

※宇野常寛の新著『砂漠と異人たち』が好評発売中です! 情報社会を支配する相互評価のゲームの〈外部〉を求め、「僕」は旅立った。 そこで出会う村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンス――。20世紀を速く、タフに走り抜けた先人の達成と挫折から、21世紀に望まれる主体像を探る「批評」的冒険譚。 なぜ、Web2.0下の民主主義はうまくいかないのか:疫病と戦争の時代と脱プラットフォームの思想|宇野常寛ブレグジット/トランプの衝撃が世界を揺る

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宇野常寛インタビュー<僕たちの自由のための戦い>

【イベント情報】 本日19時〜 青山ブックセンター本店(渋谷)にて、宇野常寛が浅生鴨さんと対談します。 題して、“それっぽい「いい話」と、この悪いやつを叩き潰せという怒号にあふれたこの世界を生きるために、「情報」との付き合い方をもう一度考えてみよう”。 浅生さんの新刊『ぼくらは嘘でつながっている。』&宇野の新刊『砂漠と異人たち』の発売記念イベントです。 たくさんの方のご参加をお待ちしています!お申し込みはこちら。 宇野常寛インタビュー<僕たちの自由のための戦い>引き算から始

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「寅さん」のいなくなった日本|宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。今回取り上げるのは2019年12月公開の映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』です。 かつて昭和を代表する定番の人情喜劇だった「男はつらいよ」シリーズ。寅さん役の渥美清の死去で1997年に途絶したシリーズの22年ぶりの新作にして「完結編」となる本作は、21世紀となった現代を舞台に、小説家となった寅さんの甥っ子・満男を主人公に据えて製作されました。「寅さん」の不在が象徴する、平成の日本が「失ってしまったもの」とは、い

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「書く」という「暮らし」を学ぶ|宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。 今回は現在毎月開催中の「PLANETS School」開講に寄せたエッセイです。 SNSの普及により、誰もが発信者になってしまう現代において、情報に溺れず、価値ある発信を行っていく「発信する」、「書く」という生き方を伝える本講座。では、宇野はいつその生き方を学び、この講座を開講するに至ったのか。そのエピソードをお届けします。 ※本記事はnoteでの有料マガジン「宇野常寛の個人的なノートブック」で配信

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裏オリンピック計画 | 宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。 今回取り上げるのは、幻となった「2020年の東京オリンピック」についての2014年時点の展望です。 新型コロナウイルス危機がなければ、まさに開幕したてだったはずの東京五輪。目下、開催は2021年に延期されていますが、もはや1964年の高度成長期のような「国民が一つになる」夢が実現不能なことが誰の目にも明らかな状況のなか、この祭典をめぐって、私たちは何を考えるべきだったのか。開催決定当時の空気感とともに、改

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テレビリアリティのゆくえ「笑っていいとも」の終わり | 宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。 今回取り上げるのは2014年3月に放送終了した国民的お昼のバラエティ番組『笑っていいとも』です。 『いいとも』に象徴される「楽屋を半分見せる」ことで「東京の業界人」の友達の輪に入れたかのように錯覚させる「テレビ的な」リアリティは、人々の情報環境の変化によって敗北しつつあります。奇しくも『いいとも』終了と同時期、放送作家・福田雄一が手掛けた『指原の乱』から垣間見える、テレビ的想像力に残された僅かな可能性とは

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楽器と武器だけが人を殺すことができる『海の底のピアノ』 | 宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。 今回取り上げるのは、本メルマガで『男とxxx』を連載中の井上敏樹先生による小説『海の底のピアノ』です。 『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー555』から、小説『海の底のピアノ』へ引き継がれた問題意識とは? そして、『衝撃!ゴウライガン』で示された、世界を変えるための想像力とは? ※本記事は「楽器と武器だけが人を殺すことができる」(メディアファクトリー 2014年)に収録された内容の再録です。

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フル・フロンタルこそ真の「可能性の獣」である『機動戦士ガンダムUC』 | 宇野常寛

今朝のnoteは『宇野常寛コレクション』をお届けします。今回取り上げるのは『機動戦士ガンダムUC』です。 ファースト・ガンダム世代の作家・福井晴敏をストーリーテラーに迎え、架空歴史=宇宙世紀への本格的な改変・介入を、富野由悠季以外の作家がはじめて行い、富野批評的な側面を負うこととなった本作。主人公バナージやミネバといった新世代のニュータイプたちの成長劇として描かれたはずの物語の陰で、「説教リレー」に淫する中年世代の危うい本音とは? そして彼らが対峙する「悪役」フル・フロ

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鳥は重力に抗って飛ぶのではない 『風立ちぬ』 | 宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。今回取り上げるのは、2013年夏に公開された映画『風立ちぬ』です。東日本大震災以降、「いまファンタジーを描くべきではない」とし、宮崎作品の中でもっともファンタジー要素の薄い作品となった本作。「美しい飛行機(=ゼロ戦)をつくること」を夢見た主人公・堀越二郎を通してえぐり出された、宮崎駿という作家の中核にあるものとは? ※本記事は「楽器と武器だけが人を殺すことができる」(メディアファクトリー 2014年)に収録された

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〈失われた未来〉を取り戻すために 『STAND BY ME ドラえもん』 | 宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。今回は、2014年夏に公開された映画『STAND BY ME ドラえもん』を取り上げます。 原作のエピソードを再構成・アレンジし、のび太の成長物語として『ドラえもん』の(事実上の)完結をなし得た本作。しかし、のび太の成長物語として描かれたことで浮かび上がる、かつて藤子・F・不二雄が描こうとした、現代日本では失われてしまった未来とは何だったのでしょうか。 ※本記事は「楽器と武器だけが人を殺すことができる」(メディア

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「それでも、生きてゆく」ために必要な『最高の離婚』 | 宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。今回取り上げるのは2013年のテレビドラマ『最高の離婚』です。〈ここではない、どこか〉ではなく〈いま、ここ〉を舞台に現実から半歩だけ浮き上がったファンタジーを描いてきた脚本家・坂元裕二。震災以降、非日常と日常がつながっていることが明らかになった中で、「それでも、生きてゆく」ために必要なものとは……? ※本記事は「原子爆弾とジョーカーなき世界」(メディアファクトリー)に収録された内容の再録です。 宇野常寛コレクシ

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いま爆弾を、花火に変える方法は――『So long !』 | 宇野常寛

今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。今回は2013年に発売されたAKB48の30枚目のシングル『So long !』を取り上げます。新潟県長岡市を舞台に映画監督・大林宣彦が手掛けるMVが制作された本作。被災地と観光地、戦争と戦後のイメージがバラバラのまま刻み込まれた映像は、21世紀における「映画」というメディアの原理的な不可能性を示すものでした。 ※本記事は「原子爆弾とジョーカーなき世界」(メディアファクトリー)に収録された内容の再録です。 宇野常寛

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