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古市雅子×峰岸宏行『中国オタク文化史研究』

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北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」です。
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国境を超えた虚擬偶像(バーチャルアイドル)、リスクと変遷(後編・最終回)|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第13回(後編)。 「虚擬偶像(バーチャルアイドル)」として中国に大旋風を巻き起こしたキズナアイ。ホロライブやにじさんじといった後続のVtuberたちも人気を博すなか、活動規模がグローバル化したゆえの問題にも直面しました。「虚擬偶像」の行く末を、「中国オタク文化」の現在地として本連載の最終章で解説します。 (前編はこち

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国境を超えた虚擬偶像(バーチャルアイドル)、リスクと変遷(前編)|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第13回(前編)。 2017年、中国政府によって厳しいコンテンツ規制が施行される少し前、日本で誕生したバーチャルYouTuberキズナアイが中国にも登場しました。大旋風を巻き起こしたアイちゃんは、中国エンタメ業界における一筋の希望となる「虚擬偶像(バーチャルアイドル)」という存在になりました。「虚擬偶像」はどこから来てどこへ

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中華圏ゲームの発展史:2010年代中盤〜2020年代編(後編)|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第12回(後編)。 ゲームを中心に中国のオタクコンテンツ市場が成熟していく一方、徐々に強まっていくコンテンツ規制の圧力。2018年のゲーム制作に対する新規審査の停止が業界に大きな打撃をもたらす中で、2020年からのコロナ禍がさらなる追い討ちをかけていきます。 前編はこちら。 古市雅子・峰岸宏行 中国オタク文化史研究

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中華圏ゲームの発展史:2010年代中盤〜2020年代編(前編)|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第12回(前編)。 2010年代中盤、日本のコンテンツを中心に消費していた「オタク」たちがゲーム市場に組み込まれ、中国産日本アニメ風ゲームと日本アニメの同時配信が行われるようになったのもつかの間、中国政府によって厳しいコンテンツ規制が敢行されます。それにより市場環境と消費者がどのように変わっていったのかを見ていきましょう。

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中華圏ゲームの発展史:2000〜2010年代前半編(後編)|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第11回(後編)。 2010年代、日本風アニメ系MMORPGの誕生を皮切りに中国ゲーム市場が爆発的に拡大するきっかけを分析します。ネット環境や輸入制度の整備などが進んだ結果、巨大な消費者層として認知された「オタク」たちがゲーム市場に組み込まれていく過程を辿っていきます。 (前編こちら) 古市雅子・峰岸宏行 中国オタク

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中華圏ゲームの発展史:2000〜2010年代前半編(前編)|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第11回(前編)。 ゼロ年代から2010年代前半の中国における、ゲーム産業の発展史を辿っていきます。当初は一部のコアユーザーによる消費に限られていた国内ゲーム産業でしたが、ネットカフェの普及とともに登場した、FPSやMMORPGに興じる「中国ギーク」たちがゲーム産業大衆化のきっかけを作ります。 古市雅子・峰岸宏行 中国オタ

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中華圏ゲームの発展史:1980〜90年代編|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第10回。 中華圏におけるオタク文化全体の中でも特に大きく開花することになったゲーム分野に光を当て、その発展の軌跡を辿っていきます。今回は1980〜90年代編。大陸に先駆けて日本コンテンツの流入窓口になっていた台湾でのパソコン産業の勃興を起点に、中華圏独自の人気エンタメジャンル「武侠」ものの取り込みを経て、いよいよ大陸でもオ

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オタク文化を育んだ中国ネットプラットフォームの発展|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第9回。 今回は、国家主導の独自インフラの構築で知られる中国産のインターネットプラットフォームが、いかにオタク文化と関係してきたのかを辿ります。いまやGoogleやFacebookとならぶ世界的プラットフォーマーとなったテンセントの「QQ」や中国版ニコニコ動画「Bilibili」の成立、そして政治環境の変化とともに一気に普及

中国同人文化の変遷、過去、未来|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第8回。 今回は、20世紀末にインターネットの普及とともに広がった中国の同人文化について。日本産コンテンツの二次創作から始まった中国の同人文化が、アイドル業界やSNSの発展と絡みながら独自の進化を遂げ、日本へ逆輸入されるまでの過程を紹介します。 古市雅子・峰岸宏行 中国オタク文化史研究 第8回 中国同人文化の変遷、過去、未

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コスプレカルチャーの中国独自進化|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第7回。 今回は、2000年代半ばごろから独自進化を遂げた中国のコスプレ文化について。アジア最大のゲームショウ「ChinaJoy」を頂点に、中国全土でトップ・コスプレイヤーを競うコンテストが開催されるほか、大がかりな創作演劇やライブパフォーマンスなども上演。閉じた場でこっそり楽しむ趣味という印象の強い日本とは異なり、オープン

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国家規制下の初期インターネットで発展した中国アニメコミュニティ|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第6回。 今回は、2000年代初頭から中盤にかけて日本アニメのテレビ放映が次第に規制されていく一方で、インターネット初期のフォーラムやエリート大学の学生サークルの行動力によって各地に点在していたコンテンツ愛好者たちが接続され、中国全域に「オタク」という存在様式が増殖していくプロセスを辿ります。 古市雅子・峰岸宏行 中国オタ

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「鏰児厅(ゲーセン)」から「網吧(ネットカフェ)」へ〜中国ゲームコミュニティの勃興|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第5回。 今回は、1990年代ごろから「鏰児厅」(ブアル・ティン)と呼ばれたゲームセンターや攻略雑誌を核に発生したゲームファンたちのつくる「場」が、2000年代のインターネットカフェ「網吧」(ワン・バァ)の爆発的な普及を経て、様々なコミュニティを増殖させていく過程を辿ります。 古市雅子・峰岸宏行 中国オタク文化史研究 第5

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VCDと情報誌が育んだ中国アニメ・ゲーム文化|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第4回。 1995年の外貨兌換券の廃止前後、中国国内にも市場経済の恩恵が行き渡り、一般家庭にビデオCD(VCD)デッキが爆発的に普及します。そこから映画やアニメを中心とした大量の海賊版コンテンツが流通するようになるなか、日本産のゲームやアニメを紹介する情報誌が次々と創刊。現在に続く中国オタク文化の礎を築いていきます。 古市

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1990年初頭における日本マンガブームとその立役者|古市雅子・峰岸宏行

北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第3回。 冷戦体制が終焉した1990年代初頭、台湾を経由して中国本土でも日本マンガの海賊版ブームが巻き起こります。とりわけ海南美術撮影出版社が刊行した『女神的聖闘士(聖闘士星矢)』は中国オタク文化の火付け役となり、さらに日本の各マンガ雑誌からのコピーに加えて国内作家の作品を掲載した「画書大王」の創刊で、中国オリジナルのマンガ

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