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【Q&A】エンジニアリング・レポート(ER)系の業務

最近、既存建物を取得にあたり違法性がないか、どのようなバリューアップが可能か、等のご相談が増えてきている気がします。確かに買ったはいいが、違反があって用途変更できないみたいなことがあったら大変です。もちろんワクコエテでも可能な範囲でチェックを行いますが、検査済証のようなエビデンスを取得することはできません。そこでよく売買時におこなれる手法としてエンジニアリング・レポート(以下ER)を行うということがあります。

よく混同されるのはERと「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドラインに沿った調査(以下ガイドライン調査)です。ガイドライン調査は一般的には確認済証を取得しているが、完了検査をうけていない建物に対して行われ、その調査報告をもって適法性が確認できれば、完了済証取得したものとみなされ、増築や用途変更を行うことができるようになる、もともと行政庁がおこなっている法第12条5項報告に代わるような手続きとなります。

ERは不動産売買におけるデューデリジェンスの過程で作成される調査報告書のことです。「エンジニアリング・レポート作成に係るガイドライン(2019 年版)」のような指標はあるものの、どちらかというと不動産投資・取引のための任意の手続きに位置付けられています。

しかし、不動産購入または売却する場合にERを行い、それによって法的観点、収益的観点、物理的観点より不動産の評価を行うということもあり、多くの流動している不動産はこれらERを行っているようです。

ワクコエテではこの法的観点での相談が多く、ER前のプレチェックのようなことも行っています。よく指摘に上がるような事としましては、

・もともとポーチ等で面積不算入部分に設備機器等が置かれてしまっている。
・確認申請等の手続きが必要なサイズの物置が設置されているが、手続きの履歴がない。
・直通階段の階段の途中部分に扉が設置されてしまっている。
・間仕切り変更されているが、排煙設備の検討がされていない。

等の遵法性が確認できない箇所が発見されます。ERに指摘されないようにするには何らかの措置を講じる必要が生じます。

またERを行う会社選びも重要かと思います。ERは許認可業務ではないため色々な業種の会社で行われている。指定確認機関をはじめ、ゼネコン、設計事務所、保険会社、またERを専門としている会社もあります。
銀行の融資を受ける際にもERは影響を与えますので、ある程度信頼における会社を選定する必要があるかと思います。

昨今では建築基準法もストック建築物の活用をかかげ、法改正を行っています。しかしながら検査済証を取得されていない案件もおおく、その整理には多くの労力がかかります。
しかしながら労力がかかる、ということはその他のプレイヤーも同様に考え嫌煙されがち。そういうところ挑戦することによってノウハウを蓄積し、差別化をはかるという戦略をとるという選択もあるのではないかなと思います。
ERもこれからもっと増えてくるような気がしますので、こうゆう分野を切り口に新規開拓の可能性もあるかと思います。
ワクコエテの業務も屋号のごとく、どんどん枠を越えていこうと思いますので宜しくお願いします。


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