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問題が解けた理由を考える

解けなかった理由じゃなくて解けた理由

「解けた理由」というのはミスタイプではない。まさに文字通りだ。「えっ?」と言う人は多いだろう。解けなかった問題についてその理由を突き止め,次は解けるようにしようというのは普通だ。しかし「解けた問題」はそれでいいではないか。

よくないから言っている。細かいことは別にして,要するに「まぐれで解けたもの」をまぐれだったとちゃんと認識しなさいということだ。

たとえば連立方程式

シンプルな連立方程式一つ取ってみても,「いろいろ式をいじっていたらなんかできた」という経験があるのではないだろうか。確かに未知の荒野を開拓する研究者たちは手さぐりでいろいろいじることをするだろうけれど,受験生はそういった先人たちの知恵を借りて最短コースで解決するべき立場だ。解法が確立されている連立方程式ごときで試行錯誤してはいけない。仮に答えが出てそれが正しくても,自分の中で正しく解けた理由がちゃんと理解できているかを問い直してほしい。

連立方程式について,解くための手順は次の通りだ。なお,式の対称性とか特殊な事情はここでは考えないことにする。

1.何が未知数なのかをチェックする
2.未知数の個数と(独立な)式の個数が一致しているかチェックする
3.一つの文字をとことん消去する,式が一つ減っていることを確認する
4.3.を繰り返すとやがて一つだけの未知数の方程式が一つできるので解く,解く際には同値性を保ちつつ変形すること
5.残りの未知数の値も順に求める

適当に変形していたら答えが出た,というのでは解けたことにならない。その背後にある構造を掴まなければ,次は解けないかも知れない。

問題が解ける理由

一般論として,問題が解けるとは次の条件が揃っていることである。

1.前提条件が正しく定式化されている
2.目的が正しく定式化されている
3.変数と定数の区別が正しくなされている
4.未知数と既知数の区別が正しくなされている
5.与えられた条件の個数と未知数の個数が等しい,ただし「整数である」という条件がついた未知数の場合はこの限りではなく,不等式は与えられた条件の数に入れない

問題を解く前にこういったことをチェックして「そもそもこの問題は解ける問題なのか?」ということを把握してから取り掛かるようにすると,解法で悩むことも減っていくはず。そして実際の試験でも,「どこから手をつけたものかまったく分からない問題」よりもこういった「解ける理由がわかる問題」の方が解決できる可能性が圧倒的に高く,点数も安定する。

まとめ

問題を解く前に「解ける理由」を考えよう。

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