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「基本」≠「簡単」

「基本」とは「簡単」であるという意味ではない。

と言うと多くの受験生はそれなりに衝撃を受けるらしい。どうでもいいけど、適切な画像が見当たらなかったので「衝撃を受けたねこちゃん」の画像を借用させていただいた。かわいい。

正確に言うなら、基本という言葉にはいろいろ意味があって、必ずしも簡単という意味とは限らない、ということである。

例えば、問題集での「基本問題」。これは各分野の最初に出てくる定義の確認であったり、公式を一回使うだけで解けるものだったりするので、確かに簡単に解ける。だけど「東大の入試問題は一貫して基本を聞いてくる(*)から必要以上に難しい問題に手を出しすぎても意味がないよ」と言うときの「基本」は簡単という意味ではないことは明らかだ。あ、(*)は事実ね。

本当の「基本」

数学で一番大事なのは、いろいろある概念の定義だ。三角比の定義が完全に分かっていないのにいろんな公式だけ覚えてもほとんど意味がない。この定義を完全に理解することが「基本」ってやつなんだが、問題集や参考書は難しいと思われてしまうのを恐れてしまっているためだろうか、そこに切り込むことをしない場合がほとんどで、表面的に値を求める練習ばかりの構成にしてしまいがちだ。そしてそのような本で練習した人たちの中には「基本とは易しいということ」というイメージが定着してしまう。

三角比を例にしたのでそれを使うけど、三角比の基本とは、定義と、角度のみによって決まるという事実と、特に有名でない角度に対しての有用性だ。そして、そこまで理解できている人は東大の問題でもスムーズに方針が立ち、あとは計算ミスに気をつけよう、ということになる。

まとめ

基本とは「基礎」「土台」のこと。

家を建てるとき、基礎工事の良し悪しは表面的には分からないが、いざ地震が起こったときに違いが分かる。基礎をおろそかにして地震がきた(難問に出会った)ときに家が簡単に崩れてしまう(何もできない状態に追い込まれる)ことがないように、しっかり基礎工事をしておきたい。一見遠回りなようだが結局これが一番安全で確実だ。

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