予習はいいことなのか?

「学習法」を見直す

勉強はとにかく予習→授業→復習のサイクルが大切で、これをしっかり守れば力がつく(えっ!?)、などという指導をされたことがある人は多いと思う。しかし、これほど無根拠な言説もなかなかないように思える。

私が受験生の親だったら「それじゃあこちらの塾では出席率が高かった生徒さんはみんな合格されてるんですね?」(当然そんなわけはない)とか突っ込んで、多分塾内のブラックリストに載るだろうw

今回はこの「学習法」というやつをゼロベースで見直してみようという話なのだが、私はこの「予習・授業・復習」の中で特に、予習はかなり危険な行為になりうると思っていて、ここに絞って書いてみたい。また、学習法を考える中で参考書をどう使うべきか、どう位置づけるべきかについては「解法網羅系参考書について」も参考にされたし。

予習の危険性

今まで様々なクラスで授業してきたが、未習者に初めて教えることになるクラスの場合は予習を禁止している。担当チューターはもちろんそんなことは知らずに「しっかり予習して授業に来るように」と言うだろうから事前によく伝えておくのだが、例外なく驚く。

理由は簡単である。予習を通しておかしな自己流が定着してしまうとその修正に手間がかかって効率が落ちるからだ。すべてを自学しなければならない環境の人ならそれも仕方がないが、塾や予備校に通える(通わせてもらえる)立場ならそれを最大限活かすために、「最初の一歩は専門家に示してもらう」ことを心がけるとよい。

どの分野も定型というべき内容がある。これは昔の研究者たちが切り開いて道であって、初学者にその作業を自力で追体験せよと言ったところで非効率どころかそもそも不可能だ。そこはさっさと専門家に教えてもらい、与えられた知識やテクニックを定着させるための努力を、これは自力で行いたい。そのためには初見の問題をしっかり予習し、考え抜くのが効果的だろう。

まとめ

効果的な学習のスタイルというのは段階によって変わる。特にサイクルに予習を入れるときは、タイミングに気をつけること。

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