目をじっーと見て、口角あげる能面の術

私が大学で学んだ、ルコック演劇システムは、俳優養成のメソッドです。
基本は「身体」のムーヴメントで、マイムを基礎に俳優が役を生きることを学んで行くシステムとなっています。

実はこのシステム、本国フランスでは俳優をはじめ、経営者、医師、弁護士、政治家、教師、セラピスト、ダンサーなど、様々な職業のヒトは受講しに来る、いわゆる「社会的スキルトレーニング」の要素を多く兼ね備えています。いわゆるSSTというもの。

このメソッド、ラッキーな事にルコック演劇学校で教鞭を取っていた
大橋也寸氏に習うことができたのです。
世界的に有名な演出家ジュリー・ティモアや、サイモン・マクバーニーは
ルコック演劇学校の卒業生で、「大切な事はヤスに習った」と発言しています。あの、『ライオンキング』を演出したジュリー・ティモアが日本の文楽にイマジネーションを得て演出したことは有名ですが、
やはり、演出方法には少しルコックをはじめ、
大橋也寸の息吹を見て取れます。

この『ルコック演劇システム』ものすごーく、
ヒューマンケアをする方々へのトレーニングに向いている。
ただし、このメソッド「やり方」じゃぁないんだなぁ…。

マニュアル好きの日本人への落とし穴は、
「やり方」を学ぶのでは無いということ。
「ネタ」でもない。
ヒトの本質をどう理解するか、どう受け止めるのか、
そんなニュートラルな自分になれるか。
これらを、身体表現(マイム)を通して学んで行く。

セラピストの養成講座などをしていると、
「ネタ」探しに来ている方と出会います。
そもそも、「ネタ」を探しに来ている段階で、
セラピストの要素0ですぜ。と、ほんとは心で叫んでいる。
いや、まじで。

才能0と言うわけではない。


日本の教育の悪いところよね。
「正解」がないと心配なんだわね。
セロトニントランスポーターが少ない遺伝子であることも
日本人にはリスクだけどもね…。


はっきり言うけど「正解」ないからね。

幼児教育までは、本当によい教育をする日本は、
なぜ、義務教育になるとこーなるかホント不思議。
「正解さがし」の弊害といったらひどすぎる。

とある、カウンセラーの学校では、
「笑顔の作り方」を教えていると、生徒さんから聞いた。
斜め45度に座り、「優しいグリーン」や「淡いピンク」の洋服を着なければ
ならないらしい。

ひどい流派だと、「化粧をするな」「装飾するな」「おしゃれするな」
と指導するらしい。

個人を消せってことか。人じゃなくなれってか。
ならAIにまかせりゃいい。

あくまでも一部ですよ。聞いた話だからね。


そんな、能面=人間じゃない人と、だれが話したいねん。
口角の上げ方教わっても、目が笑ってない人の顔ほど怖いもんはない。

それで、じーっっと、じーっっと、じっーーーーーーーっと、
目を観なければならないそうですぜ。
怖いわ!

「視線」の恐怖というものをしらんのかしら。

会社で学校で、友や知人にむかって、斜め45度で、口角を上げたまま、
目をじーっーーーーーーーーーっとみて話す。

もし、興味があったらやってみてください。
その人とのコミュニケーションに障害が生じること間違いなしです。


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