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一種の放浪

12/4(日)から12/5(月)にかけて、お隣の山梨県に車中泊で出掛けてきた。相棒はかみさんで、車はいつものキャンピングカー。わが家ではピクニック・ゲリラ号と名付けている。

家を出たのは12/4の18時前頃。市内で給油して早速高速に乗る。中部横断道に入り、富沢料金所を過ぎ、無料区間に入って間もなく内船(うつぶな)インターで途中下車、「道の駅なんぶ」に隣接したコンビニでおにぎり弁当の夕食を買って、車内で食す。

再び中部横断道に入り、無料区間の最後のインターである六郷(ろくごう)インターで下車。国道52号へと進む。

「道の駅富士川」のところで52号から右折し、笛吹川沿いの道に出る。当初は「道の駅とよとみ」で車中泊するつもりであった。しかし着いてみたら、目途をつけていた第2駐車場は閉鎖されている。第1駐車場には大型トラックが数台おり、騒音がなかなかに効いていて落ち着かない。いったん車を駐車して付近のコンビニまで徒歩で行ってきてデザートを食べたが、ちょっとここで寝る気にはなれなかった。

そこで予定を変更して、市川三郷町の甲斐上野駅に移動する。10分走るか走らないかのうちに到着した。途中のコンビニで食材も仕入れた。できるだけ現地でお金を使うようにしているつもりだ。

甲斐上野駅は富士方面から走って来たJR身延線が笛吹川を渡って甲府盆地の市街地に入る手前の最後の駅であり、ローカルな風情を残している雰囲気のいい駅だ。無人駅ではあるが、無料駐車場やトイレがあり、寂しくない。しかし前の道路を通りかかる車も稀で、静かな環境なのだ。甲府盆地より少し標高のある小高いところにあり、市街地の灯火も望める。

ホームは島型で、上下線の交換ができるようになっている。特急は止まらないものの、昔はかなり人の乗り降りがあったろうと思わせる駅だ。なお、駅名は「あいうえお」の母音が全部入る唯一の駅としても有名だ。

ここで車中泊させてもらうことにした。送迎の車の迷惑にならないところに停泊し、ひと息つく。本当に静かだ。しかし周囲の民家とはある程度距離が離れているので、ドアの開閉音も迷惑にはならないだろう。しばらくしたらパトカーが駅前を通り過ぎて行ったが、別に怪しまれるようなことはなかったようだ。その後、車内を泊りモードに整える。

寝る前に夜空を見上げたら星空がなかなかきれいだった。曽根丘陵のふもとにある駅なので、光害が少ないのであろう。真夜中の2時頃に一度起きて二人でトイレに行った。

午前5時頃、始発の電車の音で目が覚めたが、この日の甲府盆地は5℃くらいまで冷え込んだらしく、冬用フリースシュラフの中でも寒くてしょうがない。たまらずフリースを着込んで再びシュラフにくるまったが、それ以降は結局ほとんど眠れなかった。

朝食は以前に家の中で試用してみた「ごはんの炊ける袋」を使い、900mlのコッヘルを使って、2/3合ずつ入れた袋を二つ入れて炊いた。そのお湯を使ってフリーズドライのみそ汁を作り、焼き鳥缶詰を開けておかずにした。

その後、昼前に近くの「歌舞伎文化公園」まで徒歩で約10分ぐらい歩いて登り、鳥見をしてエナガに初めて出会えたのは前回記事に書いた通り。

車中泊をする場所の選定はなかなか難しい。道の駅はネットで検索できてアプローチも楽だが、幹線道路に面していることがふつうなので、落ち着かないことが多い。大型トラックも仕事だから仕方ないのであるが、ひと晩中長時間大排気量のエンジンでアイドリングしていることが少なくない。

<道の駅のメリット>
●幹線道路に面していることが多く、アプローチやネット検索が楽。
●トイレなどの設備が充実している。
●ほかにも車中泊の人がいることが多く、安心感がある。

<道の駅のデメリット>
●幹線道路に面しているために、出入りが多く落ち着かない。
●大型トラックなどの騒音、排気による影響がある。
●道の駅によっては車中泊が歓迎されていない場合がある。

車中泊に絶対必要な設備というのは限られていて、要は24時間使えるトイレのある駐車場があればいいのである。都市部の駅では、無料駐車場はないし、トイレも改札を入らないと使えない場合がほとんどだ。

ローカル線の駅では、場合によっては夜間トイレが消灯されてしまうところもあるが、原則的に24時間使えるようになっていて、無料駐車場も併設されている場合が多い。

ローカル線では、真夜中に轟音を立てて貨物列車が通過することもないから、基本的に静かなのである。今回もその恩恵にあずかることができた。ありがとう、市川三郷町、そして甲斐上野駅。

鉄道利用者用の無料駐車場もあったが、そちらは避けて車中泊させてもらった。車内から電車の発着も見えて、レールファンにはまことにありがたかったのである。


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