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連休巡礼(1)

5月2日の夕刻、小型キャンピングカーでかみさんとともに静岡市の自宅を出発した。最初の目的地は岐阜県中津川市の加子母(かしも)。

買い物やガソリン給油の用事をこなして、高速に乗ったのが19時頃。もう夕暮れなのだ。東名と新東名を結ぶ連絡路を通って、新東名の下り線に入った。

ぼちぼちお腹も空きかけていたので、SAもしくPAに入ろうと画策するも、静岡SAも藤枝SAも「混雑」の表示が出ている。平日の2日だからそこまで混んではいないだろうと高を括っていたのが甘かった。

混雑表示が出ていなかった掛川PAになんとか滑り込むも、すでにエリア内で渋滞している。まいったなあと思ったが、10分ほどで駐車スペースに入ることができた。

早速弁当を買い、車内で食す。その間もエリア内の渋滞は続いている。食べ終わってさあ出発しようかと車を出したら、そのまま本線上には出ることができず、流入してくる通路をもう一度通らなければならなかったので、ここでもまた時間を食うが仕方がない。

そのあともほうぼうのSAまたはPAに、混雑表示が出ていた。3日からは土曜日の6日を含めれば5連休になるので、渋滞必至。前日に出発しようという車が多かったのだろう。

いなさJCTも無事通過し、一路新東名を西進する。うちのキャンピングカーはバンクベッド部分が空気抵抗になるので、あまり速度を出すと燃費が悪化する。だいたい80kmぐらいの速度でおとなしく走ってゆく。

岡崎を過ぎて、東海環状に入る。ぱっと見たところ、こちらは通過車両が少ないようだ。ほどなくして鞍ヶ池PAに進入したところ、エリア内の駐車スペースはガラガラであった。新東名に比べて圧倒的に交通量が少ないのであろう。

少し休憩して、エリアに隣接したコンビニで飴などを買う。この時点で時刻はすでに22時を回っている。かみさんが「空気がいい」と言った。確かにそうなのだ。東海環状は低い丘陵地帯のあいだを縫って走っているから、周囲に樹木が多いのだ。道路も緩やかなカーブが多く、走りやすい。東海環状はこれまで3回ほど走った。

土岐JCTで中央高速の上り線に入る。間違えたりしないように多少緊張するのであった。流入した中央道はさすがに東海環状よりも交通量が多い。おまけに比較的タイトなカーブが連なっている。表示板には、駒ケ根ICから伊那ICまでが事故で通行止め、とある。今日はそちらまでは行かないからわれわれは大丈夫だが、通過する予定の人達は大変である。

23時11分に中津川ICを出た。ETCじゃないので、現金で精算せねばならない。これもけっこうレーンの移動に気を使う。まあだいたいは一般レーンは左側にあることが多いのだが、逆の場合もある。

中津川ICからは下呂方面に向かうのだが、料金後直後の分岐に下呂方面の表示がなかったので一瞬躊躇しかけた。しかし無事通過して19号に出、直後に今度は257号に入る。

1回左折があるが、あとはほとんど道なり。加子母まで残り30数kmくらいだろう。中津川の街を出て木曽川を渡り、下呂・付知方面に向かう。次第に交通量が減ってゆく。だいたいもう深夜だからね。

付知の手前であったろうか、交差点にタヌキが現れ、とことこと歩いてゆくのが笑える。しかし次はそういうわけにはいかなかった。だいぶ大きい何かが道路上にいるなと思ったら、かなり立派なイノシシであった。

イノシシはわれわれの車が近付いても逃げる気配はほとんどなかったので、対向車線側にふくらんで回避する。やれやれ、ぶつけられなくて良かった。

道はますます空いてきて、対向車もまれになった。道の駅加子母に到着したのは、24時頃だったであろう。目星を付けておいた道の駅そばの福崎公園にはトイレがあるが、街灯もなくあまりに真っ暗なのでパス。さきほどのイノシシが頭をよぎる。あんなのが現れたらたまったもんじゃない。

道の駅の第2駐車場には街灯があり、ほかにも車中泊の車が数台止まっていたので、お隣との距離を開けて駐車する。

外に出たら、寒い。外気温を見るのは忘れていたが、15℃くらいだったかもしれない。加子母は標高500mほどだが、1500mくらいの山々に囲まれているので、夜は冷気が下りてくるのだ。

早速、寝る準備に入る。これがけっこう手間なのだ。かみさんには寝る前の身支度があるし、車内に大量にある荷物を整理しておかねばならない。バンクベッドがある2階建て構造だから、上で2人寝てしまえば荷物の整理は楽なのだが、夜中にトイレに起きるときなど、2人で寝ていると、体の向きを変えるのが非常に大変なのだ。なので、最近では2階のバンクベッドにかみさん、下のシートをフラットにした寝床に私が寝るようにしている。

そんなこんなで寝たのは25時を回っていただろう。257号を通過する車も少なく、静かだった。


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白鳥和也/自転車文学研究室
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