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その果てのFD(カンパレコードFD讃歌③)

※有料記事ですが、冒頭は無料でお読みいただけます。全体では2800字あまりです。

カンパレコードFD(1052)の話は尽きぬ。
そうは言っても、私から出てくるような話は、ランドナーや古典フランス車の大家の先生がたのような碩学らが書かれたものや話されたことの足元にも及ばないものであるから、ま、誤解のなきようお願いする。
たまに勘違いされる方がおられるが、私は自転車ハードに関する事実関係掌握もしくは研究のスペシャリストなどでは決してなく、単に主観的な試論を弄ぶだけの文章屋に過ぎない。そんなこと、いちいち説明しなくても書いたものを読めばわかると思うのだが、別のところで書いたように自転車の世界はなかなかに狭いので、いろいろと面倒くさかったりするのである。
確かなのは、くどいが、私はハードの薀蓄の専門家などではなく、あの同時代を生きたランドナー乗りの一人に過ぎないということなのだ。

さて、古典FDの象徴的存在たるカンパニョーロ・レコードであるのに、なぜかわが国の通り相場では、「カンパレコード」とシンプルに呼ばれることがほとんどである。
詳しい方々が「1次型」「2次型」のように製作年代や細部の仕様の差異によって区別を行っていることはマニアックな世界ではよく知られているものの、それを品番やロットで厳密に同定するということはあまり行われていないようなのである。

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