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アルコール燃料の是非

トランギアのアルコールストーブをもう15年以上使ってきた。ひとつには燃料が入手しやすいし、比較的安価であるからなんだが、そのアルコール燃料について、最近かなり気になる情報に行き当ってしまった。

いわゆる燃料用アルコール。実はこれはかなりの毒物というか劇物であるらしい。アルコールと呼ばれるとはいえ、飲むほうのアルコールとは全然違うメチルアルコール(メタノール)の成分が濃厚らしい。

どれくらい危険かというと、私が見たとあるサイトでは、体重50kgの場合、10数mlで失明し、50mlで死亡するというように書いてあった。つまり、ひと口飲用しただけで死に至る劇物なのである。

ひえ~。燃料用アルコールなんてすぐ揮発するくらいだから、多量に飲んだりしない限りはそう危険はないだろうと思っていたらとんでもない。ドラッグストアの棚には消毒用のアルコールなんかと並んで売られているからね。
ちなみに燃料用アルコールを消毒用に使うのもまずいそうだ。

特に私の場合、燃料用アルコールを野外に持っていくときは、200mlほど容量のある安物のスキットルに入れていたから、酒やウイスキーに目がない人間がそこに居合わせた場合、誤飲の可能性がないとはいえない。

それに比べたら、ガスはそもそも誤飲がほぼ不可能だし、ホワイトガソリンも特有の臭気で誤飲することは考えにくい。しかしアルコールはやばい。

ちょっと寒気がしてしまったのだ。10数年使ってきて今頃知るというのもなんだが、世間には私のように知らない人もたくさんいるのではなかろうか。特に昨今では、100均のようなところでも、アルスト(アルコールストーブ)を売っているのだから、ユーザー層の拡大は無視できないくらいに大きいはずだ。その割には、燃料の危険性はよく知られていないのではないかという気がする。

私の場合、アルストを使うのは主に自転車デイキャンプのような場合だ。キャンピングカーの車内等では、開放型のストーブが万が一転倒したような場合に大変なことになるので、基本的には使用しない。燃料別に使用目的を分けている。もちろん車内で使う場合には、換気などに充分に注意している。

①カセットガス(CB缶)=オートキャンプまたは車中泊(車内含む)
②ホワイトガソリン=オートキャンプの車外
③山用ガス(OD缶)=オートキャンプの車外または自転車
④アルコール=自転車

てな具合だ。このところは入手が容易なCB缶を自転車での野外活動に使えないかどうか考え始めていたので、毒性の強いことがわかったアルコール燃料は分が悪い。

本当はホワイトガソリンを使いたいのだが、オプティマス8Rのような燃料タンク一体型でプレヒートが不要なものがないので、止むを得ず他の機器を使ってきた。分離型も魅力がないわけではないが、ホースの扱いが面倒臭そうで今一つ食指が動かない。まったく悩ましいのである。

画像は、トランギアをセットした専用五徳の上にダイソーの焼き網を載せ、その上にキャプテンスタッグの大型シエラカップを置いて湯を沸かしているところ。開放型のアルストは静かに燃焼するが、どうもガソリン加圧式のピークワンあたりから野外活動を始めた自分には、この静かさと炎の見えにくさが物足りない。アルストを使用しなくなる日も近いかもしれない。

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