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カール•アンドレ 彫刻と詩、その間(DIC 川村記念美術館)

昨日は2年ぶりに川村記念美術館を訪れました。
前回は雨の日でしたが、今回は晴れ。雨の日は雨の日の良さがあってとても良かったのですが、晴れの日は晴れの日でもちろん良かったです。全天候雰囲気の良い場所のように思います。

池の前のベンチでしばらく静かな時間を過ごした後、建物の中へ。常設の作品を観ながら、やがてロスコ・ルームへ。マーク・ロスコの大きな作品だけの照明も暗めの部屋はいつまでもいられる空間です(ロスコ・ルームではありませんが、アメリカのテキサス州ヒューストンにある「ロスコ・チャペル」のために、自分が好きな作曲家であるモートン•フェルドマンが書いた曲がありますのでシェアさせていただきます)


2階の広い部屋に進むと展示されていたのは、2年前に訪れた際に開催していた企画展「カラー・フィールド」で展示されていた、ジュールズ・オリツキーの作品でした。この作品は好きで、前回この作品をトリミングしたマグカップを買って帰りました。
ステラの作品を抜けると、いよいよ今回の企画展『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間(CARL ANDRE Between Sculpture and Poetry)』です。「場としての彫刻」という概念とともに、素材にできるだけ手を加えない彫刻表現を見出したカール・アンドレですが、視覚的要素を含むミニマルな詩の作品もあり、今回展示されています。

企画展フライヤーより

「間」を意識したアンドレは過去に2度日本を訪れ、日本の枯山水や建築、詩が西洋のどの芸術よりも自身の芸術に近いものとして共感したそうです。今年2024年初頭、惜しくも亡くなられたそうです。素材をなるべくそのままで、というのは「もの派」の李禹煥(リ・ウファン)を思い出しました。「上昇」という作品は熱で曲げた鋼板を21枚並べたもので、その上を歩くことができるのですが、板の模様の変化を見てその前に見たロスコ作品を思い出しました(そう思うのは自分くらいかもしれませんが)。詩の作品も彫刻作品と同じく、素材をあるがままに存在させる、というものでとても興味深かったです。2024年6月30日まで開催しています。

展示を観た後は、外の庭を散策、しばらく歩くと藤の花が。この広々とした緑の場所は是非とも今後も存続してほしいと思いました。

こちら、2年前に訪れた際のnoteです。
よろしかったら併せてご覧ください。


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