20190616「CUFFS 〜傷だらけの地図〜」

自分のネット上の行動を追跡されているのか。インスタとかでマンガアプリの広告がよく出現する。タイトルはだいたい一緒で、撒き餌として機能しているマンガなのだろう。リンクを辿るとだいたい安い。もしくは無料。

自分が契約しているサービスに、マンガや雑誌の読み放題サービスが付帯しているものがあって、ものすごく久しぶりにログインしてみたら「マンガ一覧」に広告でよく見るタイトルを見つけた。『CUFFS 〜傷だらけの地図〜』だ。
めっちゃ広告で見るので、さぞおもしろいのだろうと思って、読み始めてしまった。

あらすじはwikipediaに譲るとして、こんな感じ。

「不良の聖地」と呼ばれる東京都・達川町(作品内での架空の街)で最強のチンピラと恐れられた久宝龍二(くぼうりゅうじ)。若い頃から喧嘩にあけくれ、素手では負け知らずだった彼もピストルには勝てず、35歳にしてその人生を終えたが、神のいたずらか彼の魂は16歳の少年の体に乗り移ってしまう。しかもその体は、16年前に捨てた妻・沢渡涼子の息子、沢渡憂作(さわたりゆうさく)であった。学校でのイジメを苦にした憂作が自殺をした時に魂が入れ替わったらしく、龍二は憂作として第二の人生を送ることになる。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/CUFFS_〜傷だらけの地図〜

『暴力バカのめちゃくちゃなチンピラが、めちゃくちゃ貧弱な息子に魂が乗りうつって、学園生活なんかをしてみたが、結局暴力バカとして生きていく』というヤンキーマンガで、本編中ひたすら喧嘩をしている。親父の体と息子の魂は召されてしまったようで、回想でしか出てこない(息子風の魂が最終盤で出てくるが、結局息子じゃないと判明する)ので、入れ替わる系というより転生系な感じだ。

読んでみると、おもしろいというより「とんでもない系」だった。「ハードボイルド風ヤンキーバトルギャグマンガ」って感じだ。
ケンカしかしない暴力バカのヤンキーが主人公なので、ハードボイルドというかそんな感じで、ほとんどずっとケンカというかほぼ殺し合いみたいなのをしていて、だいたいみんな血だらけで、けれども荒唐無稽すぎて格闘マンガでも無く、もはやギャグマンガになっている作品だ。
舞台の街も架空の街だが、フィクションじゃないファンタジーなのだ。
数巻で終わるだろうと思って読み始めてたら、全32巻もあった。
まんまと最後まで読んだ。

最後まで読んだけどこの作品が、自分が中3くらいから大学出るまでヤンジャンで連載されていたことにマジで驚きを禁じえない。

そもそも、めちゃくちゃ貧弱で体も貧相な息子の体にも関わらず、最初からめちゃくちゃ強い。記憶が確かならば「息子の体が馴染まない」みたいな描写すらなかったハズ。
息子の体は、話を追うごとにたくましくなっていくことはいくが、説明不能なくらいめちゃくちゃ強いし、説明不能なくらい突然ボコボコにされる。
「どこにそんなパワーがあるのか?」とか「高校生とは?」とか「警察は?」とか「大人は?社会は?」とかそんな常識的なことを考え出したら、この作品は読めない。
ずっと「え?」の連続で、気がついたら32巻までくる。
仏のような心でひたすらページをめくるのだ。いろんなところがめちゃくちゃ甘いJOJOだと思えばいい。達川町は杜王町だ。トリコっぽさもある。…よく言えば。ちなみにスタンド的なのとか魔法みたいな必殺技とかの類は一切無い。

数々の疑問を「ギャグマンガだもんな」と思っていられれば、不思議とスラスラ読める。読後は嫌な感じはしない。
時事ネタみたいなのもあるので、若い人が読むのはちょっと厳しいかもしれないけれど。

連載があれだけ続くって、当時から人気あったのかしら?
連載当時に出会ったら確実に読んでないと思うけど、なんだかんだいって最後は主人公が勝つので、読者はそれを読みたかったのかもしれない。
それとも当時から、なんか読んでしまう魅力があったのだろうか。

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