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20190528「混沌の中の調和」

雨が結構降った。最高気温の前日比が-10度とかで、明らかに部屋の空気が冷たい。エアコンが稼働してるんじゃないかと何度も勘違いし、何度も確認してしまった。この乱高下は冗談じゃなく風邪ひくと思った。

先日作成した資料を元に行ってきてもらったブランディング提案の報告があった。基本的にオッケーで進めていく方向になったそうだ。よかった。けれどまだ本決まりではないと。
今回の案件はキーマンが二人いて、それぞれを同日に個別撃破を目指していたが、それが叶わなかったと。理由は、キーマンAを撃破してる最中、キーマンAのトークがスパーク。そのトークが長すぎて、その後にアポをとっていたキーマンBが帰ってしまったとのこと。キーマンたちはそれぞれ話好きで、いろんな話をしてくださってありがたいが、後ろが待てないくらい話してしまうキーマンAも、待ちきれずアポをぶっちぎるキーマンBにもちょっと驚いた。
とはいえ、これは転がりだすだろう。結構重要な展開になるかもしれない。

夜になって、妻の叔母家族がキャリーケースを取りに来た。娘が修学旅行に行くそうで、それに使いたいから貸してくれないか?と先日連絡があったそうだ。近くのコンビニで待ち合わせすることになっていた。たまたま自分もコンビニに行きたかったのでついていくと、なぜかその流れで一緒に晩御飯を食べに行くことになった。
一家は車で来ていたので、駐車場があるところが条件になるが、意外と近くにない。車で10分行ったところに王将があるので、そこに行こうということになった。王将は良い。

妻の叔母一家は三人家族。叔父はちょうど一回り違うが、ギークとかナードとかそんな感じの人で、長年ネットの海に漂っているらしく、話は意外と合う。というか見ているものが若い。そんな感じだからか年頃の娘は、父をうとましむどころか、むしろ一緒に楽しんでいる感じがある。叔母はそんな二人を「よう分からん」と見ている感じで、家族としてまとまっているようで、それぞれが自立というか自我がある感じだ。
そんな一家の車内では、父は運転しながら自らが選曲したインストゥルメンタルな音楽をカーステレオから流し、娘はスマホで好きな曲を流しながら歌い、母は妻にどんどん話しかける。各所から自分が聞きたい・発したい音を出していて、よく言えば今風。よく言わなければカオス。自分は助手席にいて妻はその後ろに座っていたが、叔母と話す妻の口ぶりで、妻にどんどん余裕がなくなっていっているのがわかった。そんな混沌と混乱と不協和音で満たされた車は王将へと向かってひた走る。

あの信号を越えたら王将。その頃にはずっと外を見ていた自分も、ちょっとやられかけていた。その刹那、叔母と妻の会話がトーンダウン、同時に娘のスマホから出る音量は小さくなった。娘は歌い続けるが、叔父の流す音楽が突然その歌に寄り添うように転調。車内が完璧に調和した。
「え、奇跡やん」と感動していたら、車は左折。王将の駐車場へ入った。

「混沌の中の美ってこんなところにも転がってるだなぁ。しかも儚いわ〜。(すっとぼけ)」となりながら餃子と中華飯を食べた。王将は良い。安定してる。儚くない。

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