アプリに込めた願いの手紙

 私はオーディオを趣味にしている。ラジカセ、ミニコンポ、オーディオと徐々に所有機器も贅沢になったが、良い音で聞きたいという気持ちに変わりはない。

 音楽の聴き方というのも変化してきて、かつてはカセットやCDだったものが、今では配信やデータ再生にとってかわられ、仕組みについていくのに苦労する。
 今までは再生ボタン一つで済んでいたのに、音楽データの購入、保存先サーバの構築、再生させるためのネットワークプレーヤーの接続などと言われると、それだけで頭がウネウネする。それがいやなら、スマホの音楽アプリで鳴らしたものをブルートゥースで飛ばしてアンプで受信するという、これまた一手間要するような聞き方を強いられ、いったいあの手軽なラジカセ時代はどこへ行ったのかという暗澹たる気分になる。

 ともあれ、嘆いていても仕方ないので、時代に合った音楽の聴き方とそのための機器操作を覚えなければならないのだが、時折再生させるための肝心のアプリが音声読み上げに対応していないことがある。
 先日も、アプリのアップデートに伴ってラジオの操作が音声読み上げでまともに動かなくなり、今日時点で未だ解決を見ていない。その不具合は、アプリの発行会社自身も認識しているようなので改善を待つしかない。

 この春、私が今欲しいと思っているネットワークプレーヤーの再生アプリがリリース予定なのだが、果たして音声読み上げに対応してくれるのかどうか心もとなくなり、思い切ってソフト会社にお願いの手紙を送付した。
 そこまでしてという気もしたが、今回ばかりは何とか自分の手で動かしたいという気持ちが強くなり、驚かせるのを承知で連絡した。
 今までは、こんな少数者の声を届けるなど迷惑になるのではないかと思ってきたが、別に悪いことを頼んでいるわけでなし、たまには願望を声にするのも良いかと思った。

 果たして、結果やいかに。

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