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金木犀のルーツ  127

お向かいさんの銀木犀が咲き始めた。
ちょっと冷たいアイボリーみたいな色。
(アイボリーってあったかそうな色でしょ?ってとこだけど)

ちょうど金木犀のタイミングと重なっているし、
香りの強さからして金木犀が優勢で今はちょっと残念な感じなんだけど、
満開はもう少し後みたいだから楽しみにしている。

金木犀の香りよりもちょっと線が細い感じの香りだから
それ単体で「はぁ銀木犀ー!」って言いたいのだ。


金木犀は香り共々、認知度も人気も高くてメジャーなのだけど、
ちょっと控えめキャラの銀木犀は中国が原産で
金木犀のルーツにあたるらしい。

バラも原種は一重で、パッと見「え?ホントにバラ?」って感じだし、
銀木犀、さもありなん…なんか分かる…と勝手に思っている。


そんな中国といえば。

わたしには以前から気になっている女性がいる。

中国茶の先生や茶会をされている方なのだけど。
興味を持ったのは、わたしが合気道関連の話題を追っている時に
見つけた雑誌の記事からだった。

お茶を淹れているその姿がとても美しくて、
余白があるというか
邪魔なものがないというか
とにかく、惹きつけられたのだ。

その方が、日々の自分の手入れの一つとして合気道がある、
というお話をしていらしたのだけど…


いつしかわたしの頭の中にはその空間や、
その方の佇まいが強く印象に残り、忘れられなくなった。


その後、SNSや本など色々探したのだけどなかなか出会えず、
時折、どなたかとご一緒したというお相手の方の情報で見かけるくらいだった。


そんな彼女のインスタグラムに最近ひょんなことからたどり着いた。

実はお顔もはっきりとは認識しておらず
(お茶を淹れてらっしゃる時は大体下向いてるし)
たくさんの方と写っていると「この方…っぽい?」くらいの
識別能力しかないのだけど、そんなことはどうでもよくて。


ちょうど、中国へ行かれている時の記事がアップされていたのだけど
お茶席の姿から茶器やその空間、ともに茶席を囲んだ方々、
その建物からその街と…

なんというか、シンプルな画像の中にしっかりとその空気があって
シンとしていたり、ほんわりとあたたかそうだったり
勝手に色々感じながら見入っていた。


現代的なものと古典的なものが絶妙にバランスしていたり、
かと思えば「え?ここ中国でしょ?」って言いたくなるような
ベトナム並の洋館がポコポコ並んでいたりして

本当に「知らない」って「真っ白」ってことじゃなくて、
勝手な思い込みや知ろうとしないココロで、
ビックリするくらい貧弱な想像力をツギハギして「それでしょ」
って思ってる貧乏くさい傲慢さだな…と、なんだかゴニョゴニョ反省した。


その中に茶席をご一緒した方々との集合写真があって
きっとその中の何人かは中国の方なんだろうと推測するのだけれど、
楽しそうに、興味深そうに、照れくさそうに笑いながらお茶を囲んだり
お話されてる姿を見ると、どこの国の人も変わらないよね、と思う。


個々人と向かい合うと、本当に当たり前だけど同じ種類の「人間」で
肌の色や言葉は違えど、はにかんだり、喜んだり、照れたり、冗談言ったり…
同じじゃん、って思う。


国を構成している「人」はそんななのに
どうして大きな括りになるとあんななんだろかね。


こんな風に偶然知った今まで知らなかったこと、
知らなかったその国の一部をもっと知りたくなって、なおのこと
テレビの中のそれの方を強く不思議に感じてしまった。





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