(ΦωΦ)日記8月_03(ΦωΦ)

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近所の路地がどこに繋がっているのか気になったので、終わりまで歩いてみることにした。

路地は両サイドを高い塀に挟まれる形で存在しているため薄暗く、人一人通れるか通れないかの細さ。じっと奥の方を覗くと先は真っ暗になっており、魔物でも潜んでいるのではないかと思うほどの不気味さがある。しかし、誰も使っていない訳ではないようで、ガタガタではあるが地面はコンクリートの石畳で舗装されていた。

  テクテクと10分ほど歩いていくと、地面の舗装は途切れ途切れになり、やがて雑踏が生い茂って歩きにくくなってきた。さて引き返そうか、と思ったところで、路地の奥に小さく光が見える事に気付く。せっかくここまで来たなら、と勢い付けて奥まで進んでしまうことに。

5分ほど歩いていると、いつの間にか天井があることに気づいた。背伸びすれば手が届きそうな石の天井。両サイドもいつからか、コンクリート塀から石壁に変わっている。不思議に思いながらもさらに進むと、薄暗い明かりにぼんやり照らされるドアに突き当たった。ドアの上には灯籠型のランプが取り付けられている。そしてドアにはこんな張り紙が。

「今すぐ10年後の未来に行きたいなら、どうぞお開けください。」

まあ、10年後の世界になど希望が持てないので、勿論開けずに引き返してきたのだけども。ふむ。もう10歳自分が若かったら、開けていたのだろうか。


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