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〜7歳までに育つ4つの感覚 その1『触覚』について〜④


~『触覚』を育てるということ~

『触覚』は、全ての感覚の土台となるもので最も基礎だからこそ、じっくりと育てる必要がある感覚です。

『触れる』ということは、自分以外のものの世界と関わり、外界と対峙することですが、それ自体は、とても内的な、人の体の内側で感じるもので、最も実存的な感覚と言えるでしょう。

シュタイナーは、この『触覚』を、『無意識で暗い意志である』と説明しています。

小さな子は、教えられていないのにいろんなものに触れてまわります。

人にとって『触れる』という行為は、意識的ではなく無意識に行われる行為なのです。


『触れる』ことを通して、外界=自分以外との境界を知り、またその経験を通して自分だけの物語を紡いでいくのです。



山西先生より ~『私は確かにここにいる』~

小さ子どもこの世界は、自分と他者とが分かれていない世界です。(これを自他融合と呼びます)


この世界の中で、一つずつ触れて確認しながら、自分と他人との境界を知っていくのです。

この自分と他者との境界は、『私は確かにここにいる』という安心感につながります。

学童期や思春期になり、居場所がない、落ち着かないと感じる子ども達は、小さい頃の触覚体験が希薄であったのではないか?と感じています。

●「汚いから」「危ないから」といって触るもの全てを取り上げられてしまう環境であった
● 早期教育で、知識ばかり優先されて体験をしていない


このような、大人がよかれと思って子どもにしてきたことが、子どもの『触れる』という貴重な体験を奪い、正常な『触覚』の発育を邪魔してきてしまったのではないでしょうか。

幼少期に、さまざまな触覚体験を経験させてあげることは、その子の経験値をあげ、その子が作りだす大きな物語の主人公になれる『自分』を作り出すことになるのです。

〜続く〜


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