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エロシーンをたくさん書けばエロくなるわけではない。

通信添削をしているので、アマチュアの方のポルノ小説を拝読することが多いのですが、ポルノ小説になってる方は、10人に1人しかいません。残り9人はポルノ小説ではないものを書いていらっしゃいます。

美少女文庫の担当者が、美少女文庫新人賞には300の応募があり、そのうち最低限のポルノ小説の体裁が整っているものは一割だけ。実質30しか応募がないのと同じ。そのうち商業レベルに達しているのは3つだけ。デビューできるのは1人だけと言ってましたが、まさにその割合通りでした。

男性の方に多い誤解について列記しますね。

1.大長編を書けば受賞しやすいと思ってる。

 原稿用紙500枚とか600枚で書いて投稿しても、枚数だけで不採用ですよ。フランス書院文庫大賞も、二次元ドリーム文庫のオリジナル小説募集も、一冊分の原稿用紙換算枚数は350枚から400枚です。書いていて楽しくて長くなってしまったんだろうなと思いますが、規定を守らない作家に依頼は来ません。

2.キャラ立てせずに突っ込んでいる。

 ポルノ小説は「こんなに素敵なヒロインとエッチなことができたらいいな」という男性の夢を、小説で叶えるジャンルですから、ヒロインのキャラ立てが一般小説以上に大事です。なのに、キャラ立てをせずに突っ込んでいる。ヒロインの髪や目の色や、外見さえ書かずにいきなり突っ込んでも、読者は興奮しませんよ。

3.挿入しか書いてない。

 服を脱がす描写もペッティングもなしで、いきなり突っ込んでヒロインはいきなり感じてあんあん言います。鎖骨に光る汗のしずくや、彼女の瞳に映る自分の顔や、胸乳がゆさゆさ揺れる様子や、ベッドがきしむ音などの描写がない。

4.同じ体位しか書いてない。

 はじめから終わりまで後背位ばかり、フェラばかり。同じエロ、同じあえぎ声、同じ反応ばかり書いてある。商業は、エロシーンを全部違うように書いてありますよ。はじめは軽く、あとになるほどハードになるように設定してあります。

5.そもそも体位がわからない。

 挿入してヒロインがあえいでいるシーンばっかりで、どういう体位で繋がっているか書いてない。ジュブナイルポルノはイラストを入れるので、イラスト指定ができないと採用されません。

6.ヒロインが全部同じ。

 痴女が好きで、痴女を書きたいと思っている人は、でてくるヒロイン全員が痴女で、同じ反応、同じあえぎ声、同じエロです。外見描写やキャラ立てで、同じ痴女でも違うタイプにしてくれればいいのに、外見描写がほとんどない。商業は、ヒロインを違うタイプにしていますよ。同じエロを繰り返しても、読者はエロく感じませんよ。

7.自分が興奮するために、自分の好きなエロだけを書いている。

 自分が興奮するために自分の好きなエロを書く。それが悪いわけではありません。熱の籠もった文章は、読者を引き寄せる武器です。ですが後背位だけを繰り返しても退屈なだけです。

8.射精しか書いてない。

 挿入して射精して次の章になり、また挿入して射精というのが多い。ポルノ小説は、男性の夢の世界です。男性の夢は挿入して射精することだけではないでしょう? 「あなたの男根って何て大きくて硬いの」という賞賛や「あなたって最高! なんてすごいの」という承認。「気持ち良くさせてくれてありがとう」という感謝も、男性の夢なんですよ。射精して終わりではなく、ビロートークも書きましょうよ。

 noteで書いたポルノ小説の書き方を電子書籍にしました。noteより突っ込んだ内容になっています。キンドルアンリミティッドなら無料で読むことができますよ。

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