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作家デビューが決まったらすること

 新人賞を受賞して、編集者から電話が来た。ウエブ小説でランキングに乗り、書籍化の話が進んでいる。
 デビューが決まった方がすること、しておくといいことを列記します。

1.溜めておいた領収書を入力する(振り込みが年内の方)


 小説を書くために使った領収書を、会計ソフトに入力しましょう。
 会計ソフトのおすすめは、やよいの白色申告オンラインです。
 すべての機能が無料で、無期限で使えます。
 領収書は溜めると地獄ですので、さっさと入力してしまいましょう。そして来年、確定申告してください。取られた税金、ほとんど全額返ってきます。期待してくださいね。

2.サインの練習をしましょう。


 作家はサイン本を作ることが多いので、デザイナーに依頼してサインデザインをしてもらってください。デザインの素養があったり、習字が得意な方は自分で考えてもいいですよ。サインの練習をしておきましょう。

3.デビューが決まったら、SNSの整理をしましょう。


 アマチュア時代のSNSは思い切って削除するか、あるいはハンドルネームを変えるほうがいいと思います。アマチュア時代に軽い気持ちでつぶやいた差別発言を発掘されてアニメ化がだめになった作家さんもいます。

4.作家仲間と先輩作家を見つける努力をしましょう。


 今はコロナなので無理ですが、受賞者や関係者を集めてパーティをする社があります。パーティにはぜひ行って、作家仲間と先輩作家を見つけましょう。困ったことが起こったときに教えてもらえる先輩作家と、愚痴を言い合える作家仲間がいるといいですよ。

5.編集者の言うことをよく聞いて、ちゃんともれなくやってください。


 本が出るまで、小説を書き直したり、ゲラチェックをしたり、キャララフをチェックしたり、あとがきを書いたり、著者紹介の短文を書いたり、書店購入特典の短い小説を書いたり、びっくりするほどいろんな作業があります。
 編集者が指示してくるので、指示に従ってきちんと納品してください。

6.見本誌が来たら、誤字チェックをしましょう。


 発売の一週間ほど前に見本誌が来ます。摺り立ての本を、作者に一番先に送ってきてくれます。作家にとって、いちばんうれしい瞬間です。誤字チェックをして、付箋を貼っておきましょう。増刷がかかったとき、誤字を修正してもらうことができるからです。

7.出版されたら売る努力をしましょう。


 ツイッターでお知らせする。近所の書店さんに電話を掛けて、POPを持って行く。書店さんにお願いして、本にサインを入れさせてもらう(返本できなくなるので、サインを嫌がる書店さんもいらっしゃいます。その場合は引き下がりましょう)。編集者と相談して営業活動をしましょう。

8.出版されたら仕事を増やす努力をしましょう。


 私はやってませんが、出版された本に手紙をつけて、書きたいレーベルの編集部あてに送る作家さんもいるそうです。
 手紙の内容は、「本を出すことができました。ご縁があれば、企画書から始めさせて頂くとうれしいです。ご検討のほど、よろしくお願いします」程度でいいと思います。

9.自分の小説の売り上げを知る努力をしましょう。


 今は新人は売れ行きにかかわらず三冊出版しますよ、なんていう時代ではありません。デビュー作が売れなかったら、二冊目はありません。自分の小説の売り上げを知る努力をしましょう。編集者に聞いてもいいし、文庫POSを調べたり、書店注文書をチェックする方法でもOKです。
 売れていたら営業できます。私はライトノベルには営業で進出しました。編集部に電話を掛けて、企画書から始めさせて頂けないかと言って、仕事を取ったのです。自分の小説が売れたか売れなかったかは把握するほうがいいですよ。

10.自分の小説の売り上げがわかったら、振り返りをしましょう。


 売れましたか? いまいちでしたか? 何が良かったのか、何が悪かったのか分析しましょう。編集者に聞けば教えてくれます。そして、次に反映しましょう。売れなくてもあきらめないでください。出版した経験は、あなたの力になっています。お互いにがんばりましょう! 


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