懇親会付きのイベントに出没する迷惑な人対策の一考察

自分がとあるイベントあわせでやったこと。
トリガは以下の記事の公開および、記事の内容に関連する各種レポート。

IT系コミュニティをタダ飯狙いの不審者からどう守るべきか。あるイベントで発生した深刻な事案と提言 - Publickey (publickey1.jp)

若手が相当おそれて課題提起してくれたこともあり、大きいところは自分のほうで巻き取って対応。過去に別のところでやってるし、(手慣れてるとは言わないけど)うごくせきぞう状態の自分がやったほうが良いと判断して対応。

以下、対応の流れをおおまかに。


運営関係者間で対応を協議の上、大きな方針をまとめる

課題提起を受けて、イベントの運営側で協議を行い、大きな方針をまとめる。この方針の中で、会場および管轄の警察署との連携を強化することを確定。そしてこの中で、主担当者(今回の場合はオレ)をあらためて決定。

今回立てた方針は、以下の2つ。

  1. 不審なのが入ってきて騒ぎになった時点で事案確定なので、そうなる前に不審者を弾く

  2. 不審なのが入ってきた(入ってこようとした)場合でも、正当な参加者への影響を最小限にできるよう、速やかに対処に移れるよう準備する

会場に相談

警察署に相談するにしても、借りてる場所の管理者にまず申し入れ。
トリガとなった背景事情および、運営関係者間での対応協議でまとめたことを、簡単にサマリにして伝え、次のアクションにつなげる。

所轄の警察署に相談

そのまんまw

「イベントの関係者以外はくんな」というのをあらゆるタイミングでアピールし、正当性を主張できるようにする。

イベントに参加できる人(今回の場合は、懇親会に参加できる目印をつけた人)以外は、特定の時間になったら特定の場所に入れない旨をアナウンス。これは事前にやれればベストだけど、オンタイムで条件を告げて対応でもいいらしい。アピール大事。

輩がこのアピールを無視して強行突破しようとする出た時点でトラブルなので、その時は即警察に通報してくれと言われた。

運営関係者に対応を共有し、現地での対応に臨む

ここまでの結果をまとめ、最終的にどうするか?を運営側の内部に周知した上で、現地対応のフォーメーション決定&運用に至る。

地味ではあるけど最も重要なのは、「会場に相談」のところ。会場側に話をしてご理解いただき、万が一に備えるのが肝要。
これをきちんとやらないと、会場側との信頼関係を損ねる結果にもなりかねず、以降会場を借りる際にも支障を来す懸念が出てきます。イベントをやる側にとって、使い勝手の良い会場との信頼関係は生命線。ここは丁寧にやりたいものです。

あと、自分らの対応を正当なものと位置付け、必要に応じて関係各所とのスムーズな連携を取るためにも「会場に相談」「警察に相談」は必要。

当然だけど、運営側での意思統一を図る意味で、「方針を決め」「対応を共有する」は必須。

…迷惑な人(たち)は、幸いにして来ませんでしたが、こういう一連の対応もあって、イベントが終わるまでだいぶ神経使いましたw

まとめ~対応の際には、意思統一とステークホルダ間の合意を取って

課題提起のタイミングにもよりますが、対応は事前に段取り踏んで行うのが(当然)よいです。
そして、「中の意思統一」「ステークホルダ間の合意」「現場での要員アサイン」「運用」の4つを意識しておけば、わりとなんとかなります。

おまけ1~迷惑な人たちにとってのリスクは何かを考える

おそらくですが、迷惑な人たちは、それまでタダ飯食って逃げおおせてきたのが成功体験になってます。であればイベントを行う側は、その成功体験を粉砕するレベルの体験を(迷惑な人たちに)背負わせる準備をすることが一番の対応になりますし、実際に粉砕できてそのことを外に周知できれば、類似の事案は減るかと思います。

こんなことまで頭をめぐらし手を回すのは、正直よほどのことですが、ここまで準備できればまぁ安心できるかと思いました。

おまけ2~今回の対応にかけた時間と費用

今回の対応ですが、時間はあまりかかってませんし、費用もかかってません。運営関係者間の協議以外でかかったのは、だいたいオレの人手でしたw

  • 運営関係者間の協議(最初のやつ):準備1時間+議論1時間+まとめ・周知作成30分(事前)

  • 会場側との協議:20分(当日)

  • 警察への相談:30分+往復20分(当日)

  • 運用前の運営関係者の協議+役割分担:30分(当日)

今回の場合は課題提起がギリギリだったので、当日に協議や相談が食い込みましたが、この4つは全部当日より前に段取りが可能です。

おまけ3~守りは点よりも線、線よりも面

これは何を言ってるかというと、「単独で誰かだけが動く(点)よりも、複数名で分担して守りに入る(線)ほうがよい」ということと、「さまざまなステークホルダ間で連携する(面)ことで、速やかな対応に移行できる」ということです。
外に助力を求めることが出来るならば、ぜひそうしましょう。

おわりに~いろいろ書いたけど、態度で示そう

「小難しいことをいろいろと書いてるな」と思われた方もいるかと思いますが、言ってることは至ってシンプルで「迷惑行為には断固とした姿勢で臨む」というだけであり、書いてることは「断固とした姿勢とは何か」の例ってだけです。
「ここまで考えなきゃいかんの?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう隙につけ込む迷惑な人がいるからこういう考えが出てくるわけです。必要性を考えるのは、イベントを開き、運営する方々であり、私とかは若手の意見を受けて「そうだね」と体制を示した次第です。
こういう話は、イベントを運営する上でのリスクマネジメント(の1つ)でもありますし、私自身はセキュリティ屋さんでもあるので、ここまで考えるに至りました。読まれた方の何かの参考になれば幸いです。

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