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敦賀高校創生部の昆布探索日記2「『奥井海生堂』に行ってみた!」

こんにちは!
私達は福井県の敦賀高校の「創生部」という地域密着型の部活動の生徒です。 

今回はご縁がありまして、この一連の記事を書くことになりました!
この記事では地元の私たちでも知らない敦賀と昆布の関係を知ることができる記事となっています!是非最後まで読んでみてください!

昆布探索日記1「昆布の歴史ってなぁーに?」はこちら

私達は昆布についてさらに詳しく知るため、「奥井海生堂」に行ってみました!奥井海生堂は明治時代から昆布を取り扱っている敦賀の老舗です。福井県にある曹洞宗大本山永平寺や京都の有名な高級料亭にも昆布を卸しているんです!そんな名店でさらに敦賀と昆布の関係を知ることができたので紹介していきます!

奥井海生堂に行ってみた

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奥井海生堂は明治4年創業。150年もの間昆布を売り出してきたお店です。パリでも昆布の大規模なイベントを開催していて、海外に向けても昆布の魅力を発信しています。

奥井海生堂では北海道の最北端、利尻島の沓形浜くつがたはま礼文島れぶんとう香深浜かふかはまなどで取れた厳選された利尻昆布のみを取り扱っています。これらの地域では島が綺麗なおかげで島付近の海も栄養分が高く、そこで取れる昆布も最高級の昆布で、高級料亭などのだしに使われているそうです。昆布は海を綺麗にする海藻なので、昆布のおいしさも海の綺麗さに影響されるんだとか!

また永平寺にも昆布を納めていて、永平寺では菊型に加工した昆布や油で揚げたものを客人に出すといったこともされているほど信頼もあるそうです。

昆布の歴史ってなぁーに?」のほうで紹介した昆布の情報以外のことも奥井海生堂さんに教えてもらいました!

蔵囲くらがこい昆布の始まり

蔵囲昆布とは、昆布独特の青臭さとぬめりを抑えて旨味を引き出すために、専用昆布蔵で数年間寝かされた昆布のことを言います。そうすることで、昆布が熟成し、最高級昆布に育つそうです!

では、蔵囲昆布はどのようにしてうまれたのでしょうか。

昆布を北海道で収穫し、乾燥させて敦賀へ持ってくるには、時期的にどうしても冬ごろになってしまっていました。交通技術が未発達だった当時、輸送手段は人力や馬などが主流だったため、冬に山を越えて滋賀や京都に運ぶことができませんでした。そこで、冬を越すため昆布を蔵で保管したところ、昆布のうまみ成分がたっぷりと出て、昆布独特の青臭さや粘りなどもなくなりとてもおいしいものへと変化していきました。これが蔵囲の始まりであったのです。

1年間の熟成ではまだ昆布独特の青臭さが強いですが、3年ほど熟成するとだんだんと昆布独特の青臭さが少なく、旨味が強調されるようになっていくそうです。10年間も熟成すると、昆布独特の青臭さがなくなり、京都の料理人が欲しがるほどの味が生まれるようです。

熟成するほど昆布が美味しくなるのは、熟成すると、熟成されていない昆布には含まれない6つの物質が含まれるようになるからだそう。さらに、細菌やカビなどが昆布の表面につくことも、美味しさがより生み出される要因となっているそうです。

日本のだしの旨味成分は海外のように何十種類の旨味を組み合わせたものとは違い、四種類のアミノ酸をベースにくどくなくシンプルな味に仕上がっています。日本のスープはあくまでベースであり料理を引き立たせるものという認識があるため、料理を際立たせる昆布は京都の有名店でも多く使われているんです。

昆布の格付け

昆布はワインの格付けのように、産地の浜や生育環境などで格付けされています。また等級検査と言うものがあり、こちらは葉の形、光沢等で昆布の格付けが行われているそうです。

出汁をとる際は水が大事!

昆布で出汁をとる際にはやはり、水が大切!日本では西日本は軟水、東日本は硬水と違いがあるため、京都の軟水でとった出汁の味と東京でとった出汁の味を比べると、全然味が違うそうです。そのため、昆布で出汁をとる際には水がとても大事だとか!

蔵見学の紹介

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先ほど紹介した昆布を熟成させる蔵は、普段は一般公開されていませんが、今回は特別な許可を頂き入らせてもらうことができました!

蔵の中にはたくさんの昆布が熟成保管されていました。この蔵の昆布は熟成により微生物が昆布の旨味をさらに引き出してくれるようになっているんです。その熟成に最適な環境を保つため、夏は除湿やエアコンをかけたりしているそう。このように熟成させた昆布は通常のものに比べて旨味が格段に増し、上品な味わいになっており、京都の高級料亭でも使われているのだとか。。

蔵の中には、平成元年以降、毎年、礼文島香深浜産1等検昆布を保管しているそうで、その中の平成元年香深浜産1等検昆布を100万円で購入したいと希望された方がいましたが、奥井社長はお断りされたという話も聞くことができました!

この昆布が平成元年に取れた貴重な昆布です。

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30年前のものとなるともはや昆布の匂いはせず、香辛料のようなスパイシーな香りでした。この昆布でもしっかりとダシが取れるので、重要なイベントの際に使っているそうです。

おわりに

今回は昆布について詳しく学ぶため、奥井海生堂さんへ行ってみました!奥井海生堂さんでは、蔵囲昆布や、昆布の出汁をとる水の大切さについて新しく学ぶことができました。蔵囲昆布を保管する蔵の見学では、あたり一面が昆布で覆われており、わくわくが止まらなかったです。

「敦賀高校創生部の昆布探索日記」は次回も続きます!お楽しみに!

本記事の内容は福井県の公式な見解ではなく、 わかさはっくつパートナーたちによるひとつの思いであり願いです。
読者の皆様には、本記事を通して嶺南というまちを自由に感じ取っていただければ幸いです。

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