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嶺南の本当の魅力は「受け入れる」人柄だと思った【隊員コラムby江戸しおり

6月の結成式から約8か月が経過し、これまでに20回以上の発掘を行ってきたWAKASA発掘調査隊。
来年度以降はまた違ったアプローチでプロジェクトが進んでいくと思うので、このあたりで、発掘で感じたことや今後の展望などをメンバーそれぞれがコラム形式で発信します。

今回は、記事の執筆や編集を担当している江戸しおりが、発掘の中で感じた嶺南の魅力などを振り返っていきます。

「何もない」わけじゃない!嶺南の魅力の数々は、地元の方の心の中に大切にしまってあるんです

WAKASA発掘調査隊では、「あなたの、この町のオススメ、お気に入りは何ですか?」を合言葉に、現地でたまたま出会った地元の方などとの対話の中で、地域の知られざる魅力を発掘してきました。

知らない人に声をかけるのは、最初は勇気がいりました。
声をかけられた方も、警戒や驚き、緊張など、反応はさまざまで…。

けれどもWAKASA発掘調査隊について説明すると、みなさん一生懸命にまちの魅力を考えてくださいました。

「この辺には何もないからな~」と言いつつ、
「あそこは結構歴史があって…」「あの場所から見る景色がきれいなんだよね~」と、魅力が次々に出てくるんです。

中には向こうから「何してるの?」「ここがおすすめだよ!」「教えてあげるからついてきなよ!」と声をかけてくれる方もいました。

「福井には何もない」

これは嶺南だけでなく、福井県内全域で本当によく耳にする言葉です。

でも、地元の方は本当に何もないと思っているわけではなく、
それぞれが自分なりに嶺南の魅力を十分に感じていて、
それを心の中にしまい込んでいるだけのような気がします。

そして、知りたい!と思う人が丁寧に聞き出せば、
あふれんばかりの嶺南の魅力を知ることができることもわかりました。

しかし、旅先や普段の生活の中で、知らない人に声をかけて魅力を聞く、なんてことはちょっと難しいですよね。

そういう意味では、WAKASA発掘調査隊が現地に赴き、体当たりで聞き取りを行ったことや、
その様子をこのnoteで発信できたことは、とても価値のあることだと思っています。

嶺南の本当の魅力は、地元の方の「受け入れる人柄」だと思った

数々の発掘を通してわかったのは、嶺南には知られざる魅力がたくさんあることや、それを地元の方が大切に心の中にしまっていることだけではありません。

私が最も感激したことは、地元の方のウェルカムであたたかな人柄でした。

色とりどりのスカーフをまいた謎の集団に声をかけられて、いきなりまちの魅力を聞かれるって、結構びっくりすると思うんです。
それなのに、皆さん足を止めて、本当に真剣に考えてくださいました。

そんなウェルカムであたたかな人柄に触れるたびに、これこそが、嶺南の本当の魅力なのではないかと感じました。

「この地域の良さは、人があたたかいところ!」
という言葉は結構よく聞くので、取り立てて特別なことではないかもしれません。

けれども、どうして嶺南の方はこんなにウェルカムであたたかいんだろう?と考えてみると、嶺南特有の歴史や地域性に理由があるのではないか、という結論にたどりつきました。

嶺南は場所柄、各地から人やもの、文化が入ってくることが多かった土地です。
東西には丹後街道、南北には、若狭街道や周山街道などいくつもの街道が伸び、琵琶湖や京都とつながっているほか、朝鮮半島などとの行き来もありました。
若狭の語源は、朝鮮語のワカソ(行き来)だという説もあるくらい。

さらに、北前船の寄港地があったため、江戸時代以降も人やものの行き来が多かったそうです。
明治時代には、敦賀からロシアへ渡るルートがヨーロッパへの最短ルートとして利用され、敦賀には全国的にも早くに鉄道が引かれたという歴史があります。

これまでの発掘の際にも、そんな歴史によって培われた文化や魅力に触れることが何度もありました。

◆都、朝鮮、越前の交差点にはすごい古墳群がある!

若狭町(旧上中町)はヤマト朝廷の直轄地だったと考えられており、古墳もたくさんあります!かつては都、朝鮮、越前につながる3点の中心地として重要な場所だったのではないか、とのお話が聞けました。

◆敦賀の地名の由来は渡来人の名前⁉

氣比神宮の近くで発見した角鹿つぬが神社。
『日本書紀』には、朝鮮半島から任那みまなの王子・都怒我阿羅斯等つぬがあらしとという渡来人がここに来たことにちなんで「つぬが」と呼ばれるようになったと記されているそう。
その後、701年の大宝律令で、現在の地名である「敦賀つるが」となりました。

◆熊川宿で、人を受け入れる空気に触れました!

若狭の有名観光地・熊川宿には、移住者や新しいお店が増えています!
実際に移住した方は「外から移住してくる人を快く迎え入れてくれる風通しのいい集落なんです」と話していました。
古くからの宿場町には、人を受け入れる気質が今も受け継がれているのかもしれません。

◆ウェルカムすぎる、丹後街道沿いの方々

おおい町の本郷地区では、丹後街道をず~っと歩いてみたのですが、こちらから話しかけることはほとんどなく、ほぼ向こうから話しかけていただいて発掘が進みました!

こんなふうに、嶺南は古くから人やもの、文化を受け入れることによって発展してきたようです。

そして、「受け入れる気質」は現代にもちゃ~んと受け継がれていて、そんな人柄こそが、嶺南の本当の魅力なのではないかと思います。

「人とのかかわりを通して嶺南を楽しんでもらう」ための仕組みづくり

今はコロナ禍で、人とのかかわりを極力避けるような生活を強いられていますよね。
宿泊施設でも「おこもりステイ」や「巣ごもりプラン」が人気となるなど、いかに人とかかわらずに旅を楽しむかがポイントとなっています。
その反動で、コロナが明けたら「人とかかわる旅がしたい!」って思う人が一気に増えるんじゃないでしょうか。

そうなったとき、人とかかわる旅がしたい人は嶺南に旅行に行き、
地元の方のあたたかな人柄、受け入れてくれる人柄を通して、旅を楽しんでもらう。

そんな仕組みがつくれたら、旅行者も地元の方も楽しめるし、嶺南に愛着を持つ人が増えるのではないかと思います。

WAKASA発掘プロジェクトとしては、今後、発掘した素材をつなぎ合わせてモデルコースをつくることを検討しているので、
その中で、地元の方とかかわれるような仕掛けができたらいいんですが…。

私の中ではまだ具体案が全くないのですが、これいいな!と思った福井県の取り組みを見つけたので、ここで紹介させてください。

これは『わたしのいいネ!card』というもので、
来県者におすすめの飲食店や観光スポットを尋ねられたときのために、自身がおすすめしたい飲食店、観光スポットなどをカードにしたため、準備しておく取り組みなんです!

私たちWAKASA発掘調査隊が行ってきた、地元の方に声をかけて魅力を探るという取り組みは、来県者の楽しみ方のひとつのモデル作りでしたが、
別のプロジェクトで、受け入れ側の仕組みも同時期に作られていたことを嬉しく思いました。

『わたしのいいネ!card』の詳細はこちら

このような取り組みが広がり、来県者と地元の方がかかわることで、
普通の旅ではわからないような若狭・嶺南の魅力が多くの方に伝わることを願っています。

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