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能登半島地震における旅館の記録

地震から19日。
旅館に宿泊予定だったお客様及び、お世話になっている方々への発信として多田屋のHPやInstagramで状況を発信していましたが、ここに来てやはり、詳しい内容や状況を記録に残しておく事も大切ではないかと思い、社長や統括部長の助言も頂き、noteという場を借りて発信していこうという運びになりました。1月1日から時系列で(記憶が曖昧なところもありますが…)随時UPしていこうと思います。スタッフが貴重な写真を残しておいてくれていましたので大切な記録にしていきたいです。

2024.0101
7:00 家族&社員代表の皆で毎年恒例の神社への
新年の挨拶&写真撮影。
8:45 毎年恒例お客様とのお餅つき。
11:00 新年の挨拶用に子供達と多田屋玄関にて
写真撮影。(親友からはお正月なんだから着物を着て下さい!とLINEが来る)

2024/01/01/11:00

12:00 自宅で家族とおせちを食べる。
16:00 旅館の事務所へ。あまりにもいい天気で、【元旦からこんなにいい天気なんて、何か起こりそうだね~】
16:06 1回目の地震 石川県能登地方 5強
地震だ!でも、いつも通りにすぐおさまるかな…。
でも長い…。 揺れがおさまったら館内放送を流さなきゃな。
16:10 2回目の地震 石川県能登地方 7
ドンッ!
下から突き上げたと思ったら、立ってられないほどの揺れ。慌てて事務所の外に飛び出す!スタッフやお客様の悲鳴が聞こえる中、外に出てきた人達に、【建物から離れて!】と叫ぶ。旅館の建物が揺れているのが外からでもはっきりわかる。ミシッ、ミシミシミシッ!瓦も落ちてくる。旅館の駐車場に建っている自宅に走り、大女将(94歳)の様子を!
案の定、部屋でガラスの破片が飛び散る中、倒れている。分厚い布団で大女将を包み、義父(会長)の姿が見えたので、【おばぁちゃんをお願い!】と叫ぶ。 すぐに旅館に戻り、お客様を多田屋の駐車場に誘導する。大津波警報が出てるとの情報が入る。館内にいるスタッフが防火扉が閉まる中、お客様の誘導を必死にしてくれていた。私はとにかく、お客様全員の人数把握と旅館が駐車場に倒れてくるかもしれないので、
建物から離れるようにと叫び続ける。
この間、我が子の事はすっかり頭から抜けていた…。

16:18 石川県能登地方 5強
お客様が旅館の駐車場の山に登り始める。東日本大震災の教訓もあり、少しでも皆さん高い方へ避難される。きちんと舗装がされていないので、
どうかお客様が怪我をされませんように…。
どうか津波が来ませんように…。

スプリンクラーの配管の水漏れ 2024/01/01/16:19

16:23 石川県能登地方 3
16:32 石川県能登地方 3
16:42 石川県能登地方 4
16:48 石川県能登地方 4

2024/01/01/16:50

16:51 石川県能登地方 3
16:56 石川県能登地方 5強      
なんでこんな事が?お正月から何故??神様、仏様、本当にやめて下さい!思わず手を合わせながら、旅館の前の道路を行ったり来たり。じっとしているのが怖い。揺れで足が震えているのか、怖さで足が震えているのかわからない状態。

17:00頃 当館のリピーターの奥様が私の所に来て主人がいないとおっしゃる。情報によるとお部屋にいると思うが電話が繋がらない。【館内見てきます!】館内に戻り、ロビーから対岸を見ると煙が。
やっぱり只事ではない…。お部屋に向かう途中に、ご主人様と廊下で会う事ができた。【無事で良かった。奥様も無事です。館内の外へ出ましょう!】

2024/01/01/16:58

『若女将、どうしますか!』 どうしよう…
どうしたらいいんだ!落ち着け、落ち着け!
何か指示しなければ。 避難所は和倉小学校。
余震が続いているし、おさまりそうもない。
津波は?津波は来る?来てる?
親友が着物を着て下さい!と数時間前にLINEくれたけど、着物なんか着ている場合じゃなかった!着物着なくて良かった!と返事しようと一瞬思った。
何か少しでも別の事を考えて気持ちを落ち着かせたかったのかもしれない。

17:02 石川県能登地方 4
17:17 石川県能登地方 4
17:18 石川県能登地方 3
   
だんだん日が暮れて来た。お客様も浴衣1枚で震えている。【客室の布団を外に運んで!!靴は脱がないで!そのまま入る!】当日のお客様情報の記録を手にお客様を探すスタッフ。ホワイトボード、拡声器とワイヤレスマイクを準備するスタッフ。
お客様に声をかけるスタッフ。
年配のスタッフを労わるスタッフ。
多田屋に到着したお客様への説明をするスタッフ。
道路状況を確認しにいくスタッフ。  

2024/01/01/17:25

地震発生から1時間ほどの間に、散乱した事務所内で、緊急災害本部を立ち上げるスタッフ。(また、この3人についてはいずれお話したい)
なんてみんな優秀なんだ…。私、全然動けていないじゃないか!『すみません…どうしてもトイレに行きたいのですが…』【トイレ!?トイレですね…。私と一緒に行きましょう!】再び館内へ。外へ出ると星が見え始めていた。【スタッフの車のライトを駐車場の真ん中に集めて!!】そうだ、私は今いるお客様の1人1人の声に丁寧に対応しよう。小学校PTAのLINEで和倉小学校が開放された事を知る。『若女将、バスを出して和倉小学校に誘導しましょう!』【道路の状況が確認出来ていないけど、多田屋だけが孤立する可能性もあるし、お客様を乗せて行こう!】多田屋災害本部の指示に従い、全員インカムを持って!

これが大活躍したインカム達!

お客様を孤立させない、スタッフも孤立してはいけない、まだ確認は取れていないけど、どうかどうか全員無事でありますように…。ずっと続いている余震。スタッフも自分の家族が心配なはずなのに旅館に残り、お客様のケアをしてくれている。他の旅館はどうしているのだろうか…。若女将達はどうしているか。
どう対応しているのか…。連絡を取ってみたいけど、きっとそれぞれ必死に対応しているはず。
仲間の無事も祈る。  

お客様と避難所に向かう準備をするスタッフ

18:21 石川県能登地方 3
18:23 石川県能登地方 4

18:37 お客様&スタッフ全員の無事が確認できる。
社長が、多田屋HPに情報をUP。ここで、はじめて社長が自分の夫である事を思い出す。
地震が起きてから、お互いに全く安否確認をしていなかった。私の携帯にもたくさんの人からの連絡が入っているのがわかる。ごめん!今は返事出来ない!無事だから!そういえば、我が子は…。あの時、どうやって避難したのだろうか。車の中に避難している子供たちの顔を見に行く。
娘は、大丈夫だよと一言。
息子は ママ~と手を伸ばしてくる。
【パパとママはお客様と多田屋の皆を守らなくちゃいけない。二人はじぃ(会長)ばぁ(女将)の言う事をよく聞いて、おばあちゃん(大女将)の事を守るように】『パパ、ママ頑張って!』【頑張るよ!】
大祖母&義父&義母がいてくれて良かった。一緒に旅館をやってきた家族のお陰で社長と私は旅館の事に集中できたのは間違いない。 

レストラン配膳室 2024/01/01/17:17   
宴会場 2024/01/01/17:15
料飲部門 2024/01/01/17:29
あっという間にお湯が抜けていった女性露天風呂 2024/01/01/20:37
ギャラリー 2024/01/02/02:59

この状況で、お客様とスタッフが怪我もなく無事だったなんて!奇跡だ…と思ったけど、ここからが更に気が抜けない状況。全然余震が止まらない。

18:56 石川県能登地方 4
19:05 石川県能登地方 3
19:26 石川県能登地方 2
19:28 石川県能登地方 4
19:34 石川県能登地方 2
19:50 石川県能登地方 4 【地震情報:YAHOO】

続く…


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