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詩/とうめいなせんぷうき

「とうめいなせんぷうき」

はねをひろげて 
わたしのほうを向いて 好きなときに 
好きなだけ わたしの好きな 風を 
おくってくれる あなたは わたしの

せんぷうき

あなたには はねがあるのに
うちにばかりいて なのにあなたは
とても うれしそうで このときを
待っていたのですね

目を閉じると 浮かんでくる
海の景色と かとりせんこうの におい

ぱちんと 押して あああああと
揺らぐ じぶんのこえを 聞いていた 
あの頃を いつも 思い出します

幾重にもみえる あなたのはねは ときどき
とまっているようにも見えて それでも
ちゃんと まわっていて、そよそよと 
とうめいな 風を、おくってくれる 

その佇まいは まるで 
うちに咲く とうめいな 

ひまわり 

わたしには
とうめいな あなたの風が 
心地よくて とても

肌に合います


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