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若葉坂道(わかばさかみち)詩集

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いちにちひとつ詩を書く。なんてことをはじめました。歌詞ではなく詩。そんな詩集です。
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2020年4月の記事一覧

詩/マグカップに顔を隠して

「マグカップに顔を隠して」 決まった時間に 暖簾(のれん)を仕舞うように 隣りの家が雨戸を仕…

詩/雑踏で見つけた日陰の下で

「雑踏で見つけた日陰の下で」 雑踏で見つけた日陰の下で 少し低い段差に腰を下ろした 喉が…

詩/引き出しで眠る乾電池

引き出しで眠る乾電池 どうしようもなく ホコリを被った貰い物のジャム どうしようもなく 引…

詩/はるの終わりに

はるの終わりに もう何もかもやめてしまおう なんてなんて思うこともあるのです ほつれほつ…

詩/ただいまとおかえりアナログの赤

ただいまとおかえりアナログの赤 何かを患ったプリンター 黒がないとコップの底を鳴らしてる …

詩/ただ海を眺めるきみと僕

ただ海を眺めるきみと僕 きみが作った程よく小さなホールケーキ 目の前に現れたのは夕飯の前 …

詩/晴れ間のない雨上がりで

無理のない体勢で 靴下を履く 無理のない間隔で 珈琲を飲む 無理のない眼差しで ネコを撫でる 無理のない仕事着で 玄関を開ける 無理のない感覚で 空を眺め風を感じる 無理のない肯定感で ゴミ捨て場を見送る 無理のない速度で 軽ワゴンを走らせる 無理のない動線で コンビニに車を停める 思いもしないタイミングで 助手席に伏せた携帯が震え鳴る 無理のない視線で 鳴り止むのを待つ 無理のない俯瞰で 暮れた途方がしばし晴れる 無理のない時間で 現場へと向かう 無

詩/きみの扉

きみの扉 僕の居場所の筋向かい 彼は浅い眠りの冷蔵庫 目を合わせることはない 同じほうに…

詩/若葉坂道の我が家シネマ

若葉坂道の我が家シネマ ガラガラガラガラ ミキサーが音を立てて やがてグラスに注がれた ミ…

詩/チャイルドマジック

チャイルドマジック 子どもだから 赤ん坊だから だからには 知らず知らずの 放つ光が見える …

詩/いつもと変わらない景色

いつもと変わらない景色 瞑想というには大袈裟だけど 決まって座る場所に僕は座っている いつ…