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『口切』

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そうだ、もうすぐ『口切』を舞います。
後朝の別れと掛けて、故人を偲ぶ舞。
宇治の辰巳の旦那さんを想い出しながら、茶を点てます。

コレも来年の2月に舞うので、季節的に丁度いいかなぁと…。
「起きていなんせな、明日の夜もあるに」と後朝の別れどきお布団着せられたらもうね貴方どうする?

『口切』

白雪の 初音は木々にありやせん

色のなまりは見る目の癖か

さればその事今さらに

花のとがぞと 知るは初瀬よ

まだも芳野の古里寒く

衣かたしくまた折着せて

「起きていなんせな 明日の夜もあるに」

そんな別れのその後さえも

ままの川でも瀬は変われども

花ぞ昔の都の辰巳

今朝の寝覚めに覚めては路次の

塩瀬の音の呼子鳥

三下り。二斗庵作詞。玉岡検校・豊賀検校作曲。天明2(1782

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