両親へ
私、若林佑弥は、本日成人致しました。
この場をお借りして、今まで育ててくれた両親へ、思いの丈をぶつけてみようかと思います。
まず、母に向けて。
お腹を痛めて産んでくれた、たった一人の息子。
幼い頃から好奇心旺盛だった僕を、さまざまなことに挑戦させてくれました。
何事も、僕が「やりたい」と言ったことは、すべて全力で応援してくれました。
ときには大喧嘩することもありましたが、きょうだいのいない僕の「喧嘩相手」になってくれていたのだと思います。今となってはいい思い出です。
母の「ものを大切にする」姿勢は、とても僕の人生に影響を与えています。
母が小学生時代の文房具を、高校生まで、なんなら大学生になっても息子が使い続ける、という家庭はなかなかないのではないでしょうか。
挨拶や、礼儀、思いやりについては、人一倍うるさかった母。おかげで、どこに出しても恥ずかしくない、立派な一人息子になれたよ。ありがとね。
ひとつだけ、残酷なお願いをします。
「僕が生きているだけで幸せ、僕が幸せならもっと幸せ」とは、再三再四言われたことですが、今度は「自分だけの幸せ」を見つけてみてください。
今まで育ててくれてありがとう。これからもよろしくおねがいします。
次に、父に向けて。
父は、幼い頃に僕からみた祖父、父から見た実父を亡くしており、「おやじのせなか」を見ずに育ってきました。
僕が生まれたことで、初めて体験する「父ー息子」の関係性。
自らの身体との兼ね合いもあり、手探りの不安な毎日だったことと思います。
幼少期には、ものづくりの面白さを教えてくれました。
決して裕福とはいえない家庭でしたが、手作りのおもちゃたち、ボロボロになるまで遊んでいた記憶が、鮮明に残っています。
僕が成長するにつれ、父は「遊び相手」から「話し相手」に変わっていきました。
僕が在籍していた高校では、毎日のように半ば哲学的な問いが投げられ、社会と自分とを問い続ける、いま振り返るととても病みそうな毎日でした。
そんな僕の話を聞いてくれて、思考整理の手助けをしてくれる。
時には、目からウロコな解釈を言ってくれる。
豊富な人生経験を交えて、上からではなく、同じ「時」を生きるものとして、助言をくれる。
加えて、このようなまじめくさった話だけではなく、くだらない話や、野球論についても語り合ってくれる。
父とふたりで話した時間は、僕の人生の宝物です。ありがとう。
父へのお願いは、これもひとつだけです。
「もっと自分のことを好きになってね。息子は、親父が思ってるより親父のことが大好きなんだよ。」
今まで育ててくれて、ありがとう。これからもよろしくおねがいします。
最後に、今まで僕と関わってくださったすべての方への感謝をこめて。
ありがとうございました。
若輩者ではありますが、「大人」への仲間入りを果たしました。
これからも、末永くよろしくお願い致します。
令和二年 七月七日
若林 佑弥
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