ニニギについて。

ニニギ（瓊瓊杵尊、ニニギノミコト）は、日本神話における重要な神で、天孫降臨の主要な神格です。彼は天照大神の孫であり、高天原から豊かな国、すなわち現在の日本に降り立ったとされる神様です。『古事記』や『日本書紀』によると、ニニギは天の岩戸開きの後、天照大神から稲田三女神、弓矢、鏡などの神器を与えられ、地上の豊葦原の瑞穂国（とよあしはらのみずほのくに）を治めるために派遣されました。

彼の降臨は、日本の豊穣と繁栄をもたらす象徴的な出来事とされ、彼が持ってきた神器は後に天皇家の神器として受け継がれることになります。ニニギの下界における妻は木花開耶姫（このはなさくやひめ）、山幸彦（ヤマトタケル）の祖母であり、彼女との間に三貴子（ホデリ、ホスセリ、ホオリ）をもうけました。特にホオリは、後の神武天皇の直接の祖先とされています。

ニニギの降臨と彼がもたらした神器は、天皇を中心とした国家体制の正当性と神聖性を象徴し、古代日本における政治と宗教の基盤を形成する重要な要素であったと考えられています。今日においても、ニニギは日本の神話と文化の中で敬愛され、豊穣と平和の神として崇拝され続けています。